35h 石山緑地南ブロック
1 公園の概況
2 公園の特徴
3 サービス施設
4 車イスでの歩き方
ー 南ブロック秋の動画
ー 南ブロックの水遊び場
1 公園の概況
《 所在地(グーグルマップ) 》
札幌市南区石山78
《 場所の特徴 》
石山緑地のある場所は豊平川扇状地の扇頂付近で、札幌市の北部に広がる山地との境付近に位置します。その岩は支笏噴火熔結凝灰岩で、風化に強く耐熱性があることから建材に適し、札幌軟石と呼ばれ明治期に採掘が始まりました。札幌控訴院や札幌農学校第2農場釜場の建築材料として使われるなど、大正から昭和にかけ最盛期を迎えました。しかし、建材としてコンクリートが登場するとともに需要が減り、多数あった採石場が次々に閉鎖されました。平成に入りそんな荒れ果てた採石場跡地の特徴を生かし整備したのがこの緑地です。
《 活動障壁 》
公園は豊平川の扇頂部に近い崖地にあり、その地形が移動障壁のもととなります。ただし、彫刻広場から水の広場に至る区域が石山を背にテラス状につながる一方、車イスで移動できるギリギリの勾配の園路があります。短い区間とはいえ路面が土や芝で縦断勾配が8%を越える園路があり、車イスの操作能力次第では単独での利用が困難と思われます。ただし、この公園の紹介写真にしばしば登場する「石の広場、ネガティブマウント」までなら移動負荷が特別厳しい区間がありません。
障害者用トイレは「沈黙の森」の西側の一段低い場所にある駐車場内にありますが、展示区域と連絡するスロープが未舗装の上に急勾配なので危険です。同行者と一緒でも南側の小さな駐車場を使い、トイレには車で駐車場間を移動することを勧めます。
2 公園の特徴
《 施設の概況 》
この公園は市道を挟んで北と南に分かれ、北ブロックは運動施設を備えた都市公園、南ブロックは切り立つ岩肌を背景に芸術作品を展示します。
北ブロックの施設に、展望テラス、休養広場、テニスコート、ゲートボール場、コンビネーション遊具などがあります。
南ブロックはこの公園を特徴づける区域で、元石切場であった歴史や残された環境を生かし芸術作品の野外展示があります。主な作品に呼吸する門、スパイラルスプリング(水の広場)、てつなぎ石、赤い空の箱、沈黙の森、ネガティブマウンド(石の広場:野外ステージ)、午後の丘(芝生広場)があります。
《 公園の利用者 》
南ブロックには5人の彫刻家造形集団「CINQ」(サンク)、國松明日香、永野光一、丸山隆、松隈康夫、山谷圭司らの手になる作品群が展示され、札幌市民だけでなく多くの人々が訪れます。石切り場の跡地という場の持つ力と、一連の作品群とが他に見られない空間を作り出し、障害の有無にかかわらず訪れる人を楽しませてくれます。
3 サービス施設
(1) 公衆トイレ
公衆トイレは南北両ブロックに1ヶ所ずつありますが、障害者用トイレは南ブロックの駐車場内にあります。また、公園に隣接してある老人福祉センターにも障害者用トイレがあり、緊急時には使わせてもらえるかと思います。
(2) 駐車場
障害者用トイレは3箇所に20台,18台,8台で計46台分あります。供用時間は6:30~21:00ですが、冬季(12月~4月中旬)は閉鎖します。
4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
北ブロックは真駒内から支笏湖に向かう国道453号沿いの石山東2丁目に駐車場があり、南ブロックは同国道から平岸通り方面に下りる道沿いにあります。南ブロックの車イスで利用には、利用動線の標高差が少ない彫刻広場の南側にある一番小さい駐車場の使用を勧めます。
なお、公共交通機関での訪問は地下鉄南北線「真駒内」から中央バスで「石山陸橋」下車、徒歩2分の由ですが、南ブロックの展示スペースまで標高差が大きいので自家用車か営業車の利用を勧めます。
《 南ブロック 》南ブロックの散策動画
彫刻広場の南側にある小さな駐車場を起終点に順路をとり、手動車イスでほとんどの展示作品を鑑賞しました。ただし、縦断勾配が8%を越える芝の園路を上る彫刻広場、雨水による侵食跡の残る土の園路を上る水の広場へは、車イスでの移動負荷が大きいものの短い区間なので独りで移動できました。車イスの操作能力により単独行の難しい人もおり、同行者を伴う方が展示作品の全体を楽しめます。今回の調査に要した時間は30分ほどでした。ゆっくりと楽しんでも1時間程度でしょう。
情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所