車イスで街にくり出そう_札幌

車イス使用者が札幌市を中心に地域活動するのに有用な情報を提供します。

35a 円山動物園

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方 映像の紹介


1 公園の概況
所在地(グーグルマップ) 
 札幌市中央区宮ケ丘3番地1
《 場所の特徴 》
 札幌の中心市街の西方に広がる住宅地のはずれ、豊平川扇状地の氾濫原と円山のすそ野との境界付近の傾斜地に位置します。園は南側で円山公園北海道神宮とに隣接し、東側に円山原生林を控える自然環境に恵まれる閑静な地区の一角にあります。
《 活動障壁 》
 円山動物園の活動障壁は地形由来の傾斜です。動物園の展示区域は南北に長い中ぶくれの形で、長辺が傾斜面の等高線をほぼ直角に横切る配置です。そして動物の展示は敷地の長辺沿に2列ないし3列に並び、それらの間を園路がうねりながら南北に走ります。つまり、傾斜地の勾配の向きに走る園路に接し展示施設が並び、利用動線は正門入口から最上部にあるホッキョクグマ館まで連続する坂路です。国土地理院の地形図では正面入口付近を標高50m、ホッキョクグマ館付近を80mの等高線が走るので、展示区域の標高差ほぼ30mです。両地点の水平距離が約600mなので平均勾配は大雑把に5%程と車イスには急勾配です。
 障害者用駐車スペースのある西門から園内に入り、主動線に出るとサル山やゾウ舎があり、そこから園路を左に下ると正門、右に上るとホッキョクグマ館です。それぞれ園路の端まで下りないし上りの坂路が続きますが、正門側は青色や黄色に朱色が混じる少々緩めの坂路です。連続する上りも負荷の小さな区間が混じるのと、子ども動物園に寄るなどすれば休み休みの移動で楽です。他方、ホッキョクグマ館側の坂路は黄色と朱色との連なる連続の上りで、楽に上れる区間がなく、肉体的負荷に精神的なストレスが加わりました。

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動物園の展示の配置と園路の縦断勾配
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  2 動物園の展示
 
《 主な展示動物》
アジアゾーン(熱帯雨林館、高山館、寒帯館)
アフリカゾーン(カバ・ライオン館、キリン館、ゾウ舎)

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こども動物園
 ホッキョクグマ館(ホッキョクグマ、アザラシ)

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 エゾヒグマ館
 エゾシカ・オオカミ舎 
 熱帯鳥類館 、総合水鳥舎
 は虫類・両生類館 
 チンパンジー館 、類人猿館 、モンキーハウス
 サル山
 フクロウとタカの森
 カンガルー館
 猛禽舎
《 主な情報・管理施設》
 動物科学館
 動物園センター
《 主な遊具施設》
 まるっぱ(遊具広場)(冬季は閉鎖) 
《 公園の利用者 》
 何度か訪れた際には幼児や児童、生徒の集団、海外からの観光客、家族連れや老人のグループなどが多く見られました。

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  3 サービス施設
(1) 駐車場
 第一駐車場(西門側)683台 障害者用6台分
 第二駐車場(円山球場側)276台 冬季閉鎖
(2) 公衆便所
 障害者用トイレは下の11箇所にありました(平面図ご参照)。
動物園センター動物科学館、こども動物園、サル山裏西門第一レストハウスエゾシカオオカミ舎モンキーハウス横は虫類館前ホッキョクグマ館カバ・ライオン館
(3) 飲食等施設
 園内に6箇所ありますが、個々の場所は別図ご参照。
(4) 休憩施設
 休憩所が第一レストハウスと展望レストハウスの2箇所、休憩スペースが動物科学館、動物園センター、エゾシカ・オオカミ舎2階、アフリカゾーンのキリン館2階の4箇所にあります。

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  4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 地下鉄東西線円山公園駅」下車、徒歩約15分
 JRバス動物園線[円15] 円山動物園西門駅下車すぐ(乗車時間約5分)
 JRバス[くらまる号] 円山動物園正門駅下車すぐ(乗車時間約5分)
 駐車場 障がい者用駐車スペースは第一駐車場

 地下鉄駅から動物園への経路はいくつかありますが、大通りの歩道と公園内の園路や木道が整備されており、おおむね移動障壁が小さく、安全です。ただ、円山公園の木道が動物園の正門前タクシーだまりに接する区間は、同行者と一緒でも車イスの上り下りに危険な縦断勾配です。動物園内の移動負荷が大きいことを考えるなら、自家用車を第一駐車場に駐め、西門から入園するのが賢明です。
《 車イスでの利用》
 紹介する動画の撮影に概ね2時間要しました。いろんな動物とじっくりと向き合う時間をもたず、動線の移動環境に主眼をおいて撮影しました。シロクマとアザラシの游泳を見に訪れたおりの動画を一緒に紹介します。シロクマは気まぐれにプールに入るので、あてもなく1時間以上待ち撮影できました。プール脇の往復から飛び込む瞬間は見逃しましたが、水中での柔軟な体の動きや毛並みの揺らめきなど泳ぐ姿を堪能でき待った甲斐がありました。それら園路沿いの勾配や施設、および動物展示の映像を紹介します。
《 動物園内の歩き方》動物園の全域をまわる動画
 円山動物園の広く高低差のある園内には世界のいろんな地域に生息する哺乳類だけでなく、鳥類やは虫類などがいます。移動制約のある来園者なら身体能力に合わせ園路の縦断勾配や移動距離を考え、訪問日毎に目当ての動物を絞り楽しむことが肝要です。一度に園内全体を回ろうとするなら、厳しい上り坂路、楽な緩勾配区間や休める場所を適宜組み合わせ順路を選びましょう。坂路の緩急を別図に示したので、緩やかな区間、きつい区間や飲食のできる休憩場所を参考に順路を決めてください。
 私は西門前に駐車し園内に入り、カバ・ライオン館のエレベータを使いメインの園路に出て、上り園路の山側にある展示施設を見ながらホッキョクグマ館に向かいました。疲れのたまらないうちに厳しい上り区間を済まそうとの考えでした。ホッキョクグマ館のあとは正門広場までの下りで力を回復しつつ、里側の展示施設に立ち寄りながら下りました。つまり、全体の上り坂路を西門を中心に上下2つに分け、入園後すぐに厳しい半分を上り、その後に下ったのちにやや緩い勾配の残りを上りました。もしも、前半の坂路で疲れ果てるなら途中でも西門に引き返す考えでした。

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所