車イスで街にくり出そう_札幌

車イス使用者が札幌市を中心に地域活動するのに有用な情報を提供します。

4動画「車イスで公園にくり出そう 札幌」の制作・提供の背景と意図と具体設計

「車イスで公園にくり出そう 札幌」の制作・提供の背景と意図と具体設計

  身体機能の維持と国際生活機能分類
   1 福祉のまちづくりの目的と国際生活機能分類
   2 「できること」と「していること」
   3 「できる」から「やる」へ
   4 活動や参加をためらわせる個人因子
  障害者やフレイル周辺の人々の在宅リハビリテーション
   5 在宅における自主リハビリテーション
   6 外出先としての公園の特徴
  「車イスで公園にくり出そう 札幌」の設計仕様
   7 情報設計への落とし込み 
   8 情報へのアクセスルート

 

1 福祉のまちづくりの目的と国際生活機能分類
 福祉のまちづくりの目的は心身に不調ないし衰えを抱える人々が、日常活動や社会参加をなるたけ幅広くまたより長く続けられる社会の創出と考えます。福祉のまちづくりではそんな人々の抱える心身の不調に対する医療や福祉になる働きかけや日常活動や社会参加の場における環境整備は目的達成のための手段です。これら福祉や医療によるサービス、行政や諸法人による環境整備と人々の日常活動や社会参加の関わりほかについては、世界保健機構になる国際生活機能分類の関係図がわかりやすく、これにより動画制作の背景と意図とを説明します(別図ご参照)。

 医療や福祉分野による機能回復サービスで対象とする人々(以下ターゲットグループ「 TGの人々」と記す)のフレイルからの回復、緩和ないし進行の減速を目指す働きかけが、同図中段左にある「心身機能・身体構造」です。ただ、TGの人々が抱える心身の不調の内容や深刻度により機能回復の到達水準に限界があり、また心身の成長や加齢によっても効果に違いが生じ、一人ひとりの日常活動や社会参加を広げられる内容や期間が限定的です。障害者基本法とその関連法令は障害者のみならず、高齢者その他心身に問題を抱える人々の社会活動に対する物理的障壁の除去や緩和を目指しますが、その取り組みは下図下段左にある「環境因子」に相当します。そんな環境改善策も地域社会として投入できる資源や活動の場の持つ特徴により制約があり、環境因子が課題解決に寄与できる水準にも限りがあります。

 図で上述の二つの働きかけは両方向の赤矢印で結ばれ、かついずれもが達成を目指すTGの人々の「活動」や「参加」とも両方向の矢印で結ばれます。両方向の矢印は一つひとつの働きかけの効果に限界があるなか、一方の限界を他方が補う相互補完により総体のサービス水準の向上を目指す意図を示します。そんな両方向の矢印は単発的でなく無限ループ的に相互補完を追求し、達成水準の向上を続けることを求めます。これらの働きかけが深まるに従い、TGの人々が日常活動や社会参加において「できる」ことの領域が広がり、また自立し続ける期間を長らえることに寄与します。つまり、これらの働きかけはTGの人々一人ひとりにおける諸々の行動の「可能態」の活動の拡大や期間延長に寄与するものです。

 

2 「できること」と「していること」
 国際生活機能分類の構成要素と相互の補完関係にかかる解説文を読むおり、TGの人々の達成目標である日常活動や社会参加について、個々人の「できること」と「していること」との間のギャップが見られるとの指摘に接しました。つまり、TGの人々一人ひとりの身体能力や周辺環境から自立するはずの行動に関し、日常活動や社会参加に踏み出さない例が少なからず認められるとのことです。それが当人にとり不要な所作や意にそぐわない活動であるとしたら、誰もが行う選択でありことさら問題視するにあたりません。しかし、そのギャップが当事者が明確な意図を持ち「しない」のではなく、何らかの別の理由によるとしたらそれを明らかにし対処する必要があります。

 障害者や老人ができるはずのことをしないことは有意義に過ごせるはずの人生の終を無意に帰するだけでなく、諸分野が連携して作り上げるサービスの無駄遣いになります。さらに身体の使う部位は筋力や可動域が維持強化される一方、使わない部位は急速に衰え硬化するので、「しない」ではなく「できない」へと容易に変わります。さらに、「しない」ことで一部の部位の機能低下に始まり、周辺や関連する部位の衰えへと波及し、その連鎖がフレイル化を早め深化させる負の連鎖へとつながりがちです。他方、「できること」を日々続けるならフレイルからの回復が期待でき、フレイルが進むとしても速度が鈍化するなど、正の連鎖に導くことができます。生命体としての衰えより早く運動機能の衰えが進行すれば不健康寿命が長くなり、当人にとっても家族にとっても終わりの見えない闘いを長期で強いられることになります。

 

3 「できる」から「やる」へ
 心身活動の不活性化が危惧される人々が能力的に「できる」活動や参加に踏み出さない理由はそれぞれです。ただ、活動環境が整っているのであれば、自身が阻害要因を抱える可能性があります。中途障害者としての自分の心に問いかけるなら、受傷以前と異なる所作の要やそれに伴う周囲の反応などが気掛かりでした。

 ① 何も考えずにできたことでできないことがあまりに多い
 ② 頑張ればできるとしてもその労力や苦痛たるや絶大
 ③ できたとしても以前の数倍もの時間を要し、他者の時間を奪う
 ④ できたとしても以前の数倍もの空間を要し、他者の空間を奪う
 ⑤ できたとしても他者と異なる方法や道具が必要なことを受け入れ難い
 ⑥ 新たな活動では排泄のタイミングと場所がクリティカルポイントになるが、現実的にその確保が難しい
 ⑦ するには他者の同行や支援が前提のケースが多い
 ⑧ できたとしても達成感や満足度が激減し、ときに屈辱感もある

これらはリハビリ療養期間に担当医師から再三求められた「障害受容」ができていないゆえかもしれません。そうであるなら筆者は受傷から四半世紀以上を経てもなお「障害受容」ができない特殊事例かもしれませんが、「障害受容」が不十分な人々がほかにもいる可能性があります。とくに、齢を重ねた人々は身体能力の急激な変化に心が追いつけずに悩む人もいそうで、そんな人々の心理障壁「個人因子」への働きかけが必要と考えます。

 

4 活動や参加をためらわせる個人要因
 TGの人々がおのおのかかえる心理障壁を乗り越えられなければ、身体機能や活動環境が整ったとしても活動や参加の機会が限られます。そして使わない能力は失われるので、医療機関で受けたリハビリの効果も退院後は日常で使う一部を除き直ちに失われもとのもくあみになります。中途障害者としての自身の経験から心理障壁を推測するなら、安住する日常から踏み出すことをためらわせる要因が三つに大別できます。まず障害を負ったことに伴う心の変化であり、ついで住まいを離れた折に遭遇する事故に対する懸念であり、加えて活動や参加にて得られる喜びや充実感が想像できないことがあります。つまり、安住の世界から踏み出したくない上に、不慣れな場にて事故が想定される一方、行動に期待感が持てなければ活動や参加への動機も意欲も起こるはずがありません。

 身体能力が低下する以前なら自然に無理なくできた所作や活動に大きな努力、激しい苦痛が伴ったり、想定以上の時間を要したり、うまく身体の動きを完了できなかったり、他者の力を借りねばならなかったり、挙句に目的を達成できなかったりなどは認めたくない現実です。そのときどきの身体能力によりできるなかで生活の質を保つことが、非日常の喜びがなくとも心穏やかに暮らすことができるのです。

 人々は身体能力や暮らし方に合わせて生活の場を整え、大小の不便があるとしても慣れ親しんだ環境にて心安く日々を過ごします。そんな安全安心の約束される住まいを離れ、不確かな場に踏み出すことには心理的な抵抗の起こるのは必然です。日常を離れた活動に重大な障壁がなくとも、玄関を出てから帰るまでに行う長い鎖状の行動の一個所でも不都合があれば重大事故に繋がりかねません。

 身体機能の低下により外出活動に対し種々の制約が出るので、以前ほど活動に期待感が持てないことは避けられません。ただ、個人的には多くの公園でいろんな季節のエンターテインメントを調査するなかで、自分の中に不知がもたらす忌避意識があることに気づきました。つまり、身体能力の低下によりできないことや使えない場所があるのが現実ですが、足早に通り過ぎていた折に目に入らなかったものが見えることもあります。そんな折に感じたことどもを以下に紹介しますが、個人的な印象、持論の域を出ず一般化できないばかり内容です。

 筆者の場合は家族を養うため退院後に職場復帰し、否応なく外出を繰り返す日常になりました。その間、安住できる自宅の外における活動の負の印象が漸減する一方、遭遇する事故に対し心の免疫が強まったと感じます。大小の事故を経験する以前に抱いていた懸念のいくつかは、不知、誤解や過剰な心配に起因することもありました。また、我慢の末にとった行動により健常であった頃の楽しさが思い出されたり、健常であった頃には見えなかった何かを発見するなどもありました。つまり、障害者や老人が心身機能の低下により既往の環境での活動に恐れを抱くとしても、心のうちにある不知に光を射し、誤解をほぐし、過剰な心配に応える情報を提供できるなら、最初の一歩を踏み出す勇気を持てる可能性があります。最初の経験により外出への自信や人生の楽しみの再発見が少しでも実感できるなら、あとは活動の繰り返しが好循環をもたらすかもしれません。バリアフリー新法の施行により地域社会における活動環境が整いつつあり、上述のような個人因子への働きかけが必要なフェーズにあると考えます。
 
5 在宅における自主リハビリテーション
 医療的なリハビリテーションは不調のある部位に効率的に働きかける一方、多くが辛く単調で在宅後の自主継続が容易でありません。他方、日々の生活で繰り返す所作は使う部位の筋力や可動幅の維持に有効ですが、ルーチン化する日常は身体の使う部位に偏りをもたらします。それを補い局部的な筋力の低下や関節の拘縮を回避するのに、非日常的な活動を取り入れることが有効です。屋外に出ての庭いじりや買い物や散歩などの外出は多様な動作や不陸路面での歩行を伴うので、無意識のうちに体幹の維持や日常生活で使わない部位への働きかけが行われます。そんな活動は日常で使わない部位を含む総合的リハビリテーションになり、義務感や負担感なく普段使わない部位に負荷を課すとともにいろんな部位のストレッチの繰り返しが期待できます。

 ためにする外出は医療的なリハビリ同様に徐々に義務感が生じかねませんが、買い物や散歩などなら毎日でもできますし、筋肉への負荷の軽重や関節の伸縮のおよぶ部位の組み合わせが選べます。また、外食は心身に多様なリハビリ効果をもたらすだけでなく、義務感や負担感よりは楽しみがまさり能動的に出かけられるでしょう。そんなリハビリ効用を幅広く期待できる活動の一つとして、多くの公園の通年的な利用の動機づけに個人因子へ働きかける情報づくりを目指しました。札幌市内には多様なエンターテインメントのある公園が各所にある一方、その魅力や活動障壁にかかる情報が十分に伝えられていないと感じたからです。

 

6 外出先としての公園の特徴
 障害者や老人の公園利用は健康一般の保持(①)、身体のリハビリテーション(②から④)だけでなく、認知や時間認識機能への働きかけ(⑦、⑧)、それらを能動的かつ楽しみつつ人生を豊かにする(⑧、⑨)効果も期待できる場で、かつ同行者が一緒に楽しめるなら気兼ねなく誘える(⑨)などの特徴があります。

身体に陽光を浴び、外気に触れ、自らの姿を他者の視線に露出する
公園への外出は心身の多くの部位に日常生活は加えない負荷を与える
医学的なリハビリは義務的、公園は自発的に行える楽しめるリハビリ
利用者の身体能力の衰微や回復の状態に応じ活動領域を広くも狭くもできる
日常は安全・便利な人工環境のなか、自然物に触れる機会が少ない
公園も人工環境だが植物など自然由来のエンターテインメントに触れられる
普段は車イスで近づきがたい本物の植物に容易に近づき触れられる
季節ごとに移り変わる花や景色に接し、ときの流れを感じることができる
同行者が主体的に自らの感性を楽しめ、支援を受ける側の気持ちが軽くなる

 他方、公園は野外にあり広い区域に広がることから、障害者や老人が利用する上では気掛かりな特徴もあります。身体能力に衰えのある人々が安心に楽しむには、活動障壁が小さくかつ手軽にトイレが使えることが必要だからです。ただし、地形勾配等の障壁による活動への負荷は身体能力により極端に異なるため、障壁の厳しさを多様な身体能力の人々に簡明に示すことに難しさがあります。また、幅広い運動能力の人が使えるトイレも同様で、トイレの設計仕様のみならず設置場所なども影響します。身体能力に制約のある人々が公園に着いてから使用の可否や難易を知るのでは遅すぎで、公園を訪れる計画段階で知ることが現場での事故防止と安心に欠かせません。そんななかで気掛かりな問題意識は次のような特徴です。

公園内の移動には園路勾配、路面抵抗、所要時間などで障壁の難易が異なる
季節により楽しめる場所が分散的にあり、アクセス路により難易度が異なる
同行者の有無により活動領域が大きく変わることがある
広い園内で花などのある場所や時期を事前に知ることが容易でない
一般向けの情報があっても移動弱者むけはトイレの有無程度しかない

TGの人々は身体能力の違いにより環境障壁のほんの少しの違いでも利用性に重大な影響を受けます。しかし、中規模以上の公園の活動環境は元々の地形の影響が色濃く残るので、都市公園移動等円滑化基準を満たす園路が限られた動線だけないし一部区画にはとどかないということも起こります。公園管理者以外のものがこの問題に対し障害者や老人の公園利用における安全安心を広げるには、移動障壁の実態を的確に情報化することが求められます。そして、幅広い運動能力の人々がそれぞれの身体能力で活動できる領域を判断できる情報作りが必要と考えました。

 

7 情報設計への落とし込み 
 以上のような問題意識のもとで幅広い身体能力の人たちが安心安全かつ自らの意思で公園を訪れようと思いたつよう、背中を押すことのできる情報に落とし込みを図りました。その際に情報システムの仕様を次のように考えました。

(1)提供情報の枢要
 情報提供の枢要は訪問者の ① 安全と安心および ② 公園を訪れようとの意欲の喚起と考えました。情報自体は公園の活動環境を直接的に変えられませんが、どこにどんなエンターテインメントや移動障壁があり、身体能力に制約を持つ人々が自ら利用できるかどうかを判断できる情報づくりを目指しました。公園を訪れようとの意欲の喚起については、人により心惹かれる対象がそれぞれ異なるので公園内の移動経路沿いにどのような魅力があるかを面的に伝えるように考えました。

(2)情報提供のメインターゲット
 情報提供でメインターゲットとするのは移動制約を持つ人々であり、車イス使用者だけでなく老人も射程に含めます。いずれのグループも普段は活動障壁を極力取り除いた人工環境のなかで暮らしており、公園も人工環境ながら自然物を素材とすることで新鮮味のある経験できます。
 メインターゲットだけでなくサブターゲットも頭の隅に置きました。メインターゲットとする人々が公園を十全に楽しむ上では、手助けできる人の同行者がいれば活動の幅が広がるだけでなく楽しさや驚きを共有できるからです。しかし、同行者が常に介助者としての役割を担うのだとしたら、回を重ねるうちにいずれの側の心にも少しずつ澱が溜まりかねません。そんな澱が蓄積すると障害者や老人の側に引け目や遠慮が生じやすく、同行者が訪れることを心から楽しめる公園であると信じられるなら両者の檻を溶かせるでしょう。

 多くの公園は身体能力が異なる人々が一緒に楽しめる基本条件が改善傾向にあるので、公園を訪れる計画の段階で皆がそれぞれに楽しめると確信できる情報づくりが望まれます。

(3)安全安心のための情報
  安全と安心とのための情報はブログの文字、図面情報とYouTubeの動画情報とで提供します。ブログでは基本情報として公園の住所、地形の概況、エンターテインメント、駐車場、車イス対応トイレ、飲食施設や物販施設等について文字で紹介します。公園内の移動環境を示すため、施設配置や園路の状況を平面図で示しました(前頁図ご参照)。園路のうち坂路については縦断勾配を数段階に分けて矢印の色で表示し、利用者が単独で利用できる、同行者が必要ないし利用が無理などを判断する材料として提供します。車イスでの移動では路面状況もまた抵抗負荷となることがあるので、園路面の違いを色で塗り分けました。園路の勾配の区分については次の通りです。さらに、区間距離の目安となるスケールを入れました。

           

  園路勾配(平面図:矢印、動画:三角枠)

    青 緩坂  〜5% 移動円滑化基準内
    黄 急坂  〜8% 移動円滑化基準特例の勾配
    朱 激坂  〜12% 移動円滑化基準をこえる勾配
    赤 危険坂 〜16% 落車の危険がある勾配
    紫 超級坂 16%〜 超危険な勾配

なお、坂路をグループに区切る勾配の大きさはバリアフリー新法の都市公園移動等円滑化基準の値を参考にしました(青枠囲みご参照)。園路は公園移動等円滑化基準にそう無色ないし青色矢印の園路で結ぶのが望ましいのですが、広大で野外に広がる公園から地形の影響を完全に除くことが公園の特徴を壊すこともあります。ガイドラインは「やむを得ない場合は8パーセント(黄色矢印)」まで認めますが、丘陵地や山裾に広がる公園もあるので実際の公園には朱、赤やまれに紫色の坂路がありました。なお、坂路の勾配はデジタル式の勾配計で計測することを胸としましたが、調査を重ねる中で体感で区分した公園もあります。

 

主な路面状態の例
 アスファルト舗装、コンクリート舗装、平らなブロック敷き路面ほか
 弾性舗装路面、締まった土路面、インターロッキング舗装ほか
 砂利敷き路面、木チップ敷き路面、石畳風ブロック路面、芝ほか

 動画は車イスのフレームに360度撮影のカメラを固定し、公園の入口から主なエンターテインメントをめぐり、入口に戻るまで連続撮影しました。360度撮影の動画素材は進行方向の園路が入るような画角で切り出し、公園に入ってから出るまでの全動線の状況を連続で見られるように編集しました。ただし、動画画面だけからでは園路の縦断勾配や路面状況がどれほどの抵抗負荷となるかや危険度が伝わらないので、画面の右下に園路勾配と路面状況とを表示しました(下写真ご参照)。また、坂路の延長が長くなると勾配や路面状況と一緒に移動負荷となり加わるので、必要に応じ動画画内に延長を示しました。なお、園路の縦断勾配は三角形のマークの内に表記し、三角形を勾配の区切りごとの色で示しました。また、路面状況は文字で記す一方、走行抵抗の大小から地色を青、黄と朱とで塗り、文字表現を理解しない人にも一定程度伝わるように考えました。

 

 なお、動画の最後に調査・撮影者のプロフィール、年齢70歳前後、第1腰椎不全麻痺、車イス使用歴30年弱、性別男と示しました。本情報を使う人々がおのおのの身体能力と比較し、独力で移動できる動線や他者の助けが必要な区間を推測し、公園の楽しみ方を考えるヒントとしました。

(4)訪園の気持ちを引き出す情報
 動画には動線ぞいの活動障壁だけでなくいろんなものが映り込み、樹木、草花、遊具、オブジェ、利用施設、トイレなどなどです。撮影した動画はそのときどきの公園の主なエンターテインメント(上写真ご参照)を中心に編集し、それぞれの公園が季節の移り変わりで魅せる魅力を利用者に紹介します。ただし、公園利用者は好みが一様とは限らないので、移動区間にある植物や施設などをより広く紹介するように考えました。

 

8 情報へのアクセス方法
 本件情報は札幌市内各所に点在する中規模以上の中から調査者が関心を持った公園を紹介するもので、それぞれに季節ごとに移り変わるエンターテインメントが含まれます。また、公園以外に一般に公開されている民営の庭園、植物園、大学キャンパスや防風林も紹介の対象としました。これらを利用するのは地域的な近さを求める人だけでなく、季節の楽しみを広域から求める人もおり、それぞれの意向にそい容易に情報にたどり着けることが必要です。本情報システムは未だ手探りで開発途上ですが、現段階で二つの手順、公園名から季節の魅力を探すルートと、季節の魅力からそれがある公園を探すルートとを用意しました。

(1)ブログの公園紹介ページより
 公園の基本情報を紹介するブログでは各公園を撮影し、情報化した動画の全容を季節の順にリスト化し、YouTubeの動画へのリンクを張ってあります(頁右上SCご参照)。近間の公園の利用可能性を探るのであれば、公園の規模と地形勾配ごとに整理したリスト(頁右下SCご参照)から適当な公園を開き、訪問予定の時点に近い季節の動画から移動障壁やエンターテインメントを確認します。その公園の内容が希望に合わなさそうなら、別の公園のブログを開き同様のチェックを繰り返すことになります。SCで例示した百合が原公園は札幌市内で最も季節を通して楽しめる公園ですが、夏から秋にかけては息切れします(息切れは調査者の方かもしれませんが)。冬でもツバキ、ミモザマーマレードブッシュのほか、ランやアザレアなどの企画展があるので足を運ぶ理由がいくつもあります。

(2)YouTubeの再生リストより
 季節ごとに特定の花のある公園を探すにはYouTubeの再生リストが便利です(下SCご参照)。北海道で早春に花を咲かせるスプリングエフェメラルを見られる公園の動画をまとめたのが上の再生リストです。2023年現在でほかに春から秋にかけミズバショウ(4月) 、桜や梅(4、5月)、春の森(5月)、ライラック(5月)、フジ(5、6月)、バラ(6〜10月)、ユリ(7月)やアジサイ(7月)、水遊び(7、8月)や紅葉(10、11月)があります。今後、夏、秋に人々を惹きつけるエンターテインメントのある公園の再生リストを増やし、積雪期を除き訪れてみたいと思える公園のメニューの充実を図ります。


《参考》本文で引用したスクリーンショットのページのURL
百合が原 https://sprwcwalker.hatenablog.jp/entry/2021/02/25/161353
目次 https://sprwcwalker.hatenablog.jp/entry/2019/12/02/105743
再生リスト https://www.youtube.com/playlist?list=PLNCGnm10gMlKtEkAkChSEIpeZX6aSpn4x

35k 恵庭市 観光イチゴ園

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方  利用の動画

 

1 イチゴ園の概況
《 所在地 グーグルマップ
 北海道恵庭市柏木町2丁目2番44号
《 施設の特徴 》
 この観光農園のイチゴ栽培の特徴は露地栽培でなく、地面より80cm前後高くしつらえた苗床で栽培することです。そのうえ苗床の間隔を広くとってあるので車イスで苗床の間を行き来できます。車イス使用者や子どもには自然体で眼前にイチゴが並び、自分の判断で好みの粒を摘み取ることができます。同行する健常者にしても、路地の畑とちがい腰や膝を深く折らずとも立位の楽な姿勢で熟れ具合を確かめつつ選べます。
《 活動障壁 》
 このイチゴの高設栽培は露地栽培の抱える活動障壁を軽減する特徴を持ちます。つまり、利用者は自然な立位でイチゴの熟れ具合を確認、摘み取り、口に運べます。露地栽培なら膝と腰を折り、身体を傾げて腕を伸ばすなど、不自然な姿勢を強いられるのと対照的です。そこで老人、子どもや機能障害を抱える人も楽に独りでいちご狩りが楽しめます。車イス使用者も温室内の硬く平らな床を移動し、手の届く位置にイチゴがあるので自立的に活動できます。イチゴを栽培、管理、収穫するスタッフにしても、自然な姿勢で作業効率も改善できます。

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イチゴ園の高設栽培の配置等
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  2 公園の特徴
《 イチゴ園の概況 》
 いちごの品種は「とちおとめ」で、苗床が温室に整備され2月から5月まで楽しめます。温室内の温度が約20℃が保たれており、冬の北海道でも外の寒さを忘れてイチゴ狩りを楽しめます。

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温室と高設栽培の様子
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低い苗床での利用状況
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高い苗床での利用状況

《 イチゴ園の利用者 》
 他の多くの観光農園と同じようないろんな利用者が訪れますが、自立的に楽しめる人々の境界線が広い農園です。つまり、苗床を高くしつらえる高設栽培なので、立ったままイチゴ摘みができ、通路が広くバリアフリーなので、車イスやベビーカーが入れるだけでなく足や腰に故障をもつ人々も容易に近づけます。そして、いろんな年代や構成の家族連れやグループが、皆一緒に楽しめるのが特徴です。 

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  3 サービス施設
(1) 駐車場
 あり
(2) 公衆便所
 温室の隣にトイレ棟があります。

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  4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 JR恵み野駅から1,500mほどですが、雪が解け暖かい日なら自走でも訪れられそうです。自家用車か営業車で訪れるのが便利です。
《 車イスで利用 》 利用の動画
 コロナ感染の影響でイチゴ狩りの営業をしばらく休んだあと、比較的空いているタイミングで訪れました。そこで、高設苗床の間隔が広い場所だけでなく、ギリギリ通れる場所まで入らせてもらいました。普通営業で利用者が多い場合には、譲り合いの利用が必要でしょう。

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所

 

35k 石狩市 マクンベツ湿原

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方
      4月 ミズバショウ 2021年, 2022年


1 湿原の概況
《 所在地 グーグルマップ
 石狩市船場町 石狩川河口橋上流河川敷マクンベツ湿原
《 場所の特徴 》
 マクンベツ湿原は石狩川で大水のときに浸水する高水敷と通常の河岸との間、中間的な高さの場所に広がります。その一帯は融雪を含む中小出水でも水が乗り上げ、洪水が引いても湿潤状態が続きます。石狩川の河口近くにある大蛇行の上流約1.5kmにあり、約130haの低層湿原を形成しハンノキ林とヨシ群落との二つとで覆われます。マクンベツ湿原のハンノキの林床にミズバショウが群落をつくり4月中頃から花を咲かせ多くの人が訪れます。
《 活動障壁 》
 車イスで湿原を訪れミズバショウ群落を訪れるには、国道231号石狩河口橋のたもとの信号から上流側に入り、まもなく現れる朱塗りの運河水門を過ぎた左側にある駐車場を起終点にするのが便利です。駐車場から湿原に伸びる木道入口まで500m弱、縦断勾配が3%ほどアスファルト舗装の遊歩道があり、車イスでも楽に往復できます。また、湿原を横断する木道は幅が1mほどと狭めですが、交差のための待避箇所が短い間隔であるので安心に先端まで往復しました。ただ、駐車場から木道先端まで往復距離が2km弱あり、駐車場に戻る遊歩道が連続する上りになるのを障壁と感じる人もいそうです。

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マクンベツ湿原へのアクセス路


2 湿原の特徴
《 湿原の概況 》
 湿原と植生とを保全しつつ多くの人々が安全、安心にミズバショウを間近に見られるよう、乾いた高水敷から常時流れのある河岸までの間に延長400m強、幅1mの木道があります。一本道なので木道を行き来する人々が安全に交差できるよう、15mほどに1カ所のインターバルで幅2m、長さ3mほどの退避場所が設けてあります。

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マクンベツ湿原の木道まで
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ミズバショウと木道
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ミズバショウの群落
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ヨシワラと石狩川

《 湿原の訪問者 》
 4月中旬のミズバショウの季節には車を駆って多くの人々が訪れます。札幌市の近くでは規模の大きな群落であり、札幌市や近郊の住民が訪れるものと思われます。私が訪れた2回とも平日の早朝であったせいか、高齢のカップル、家族づれや団体がほとんどでした。

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3 サービス施設
(1) 駐車場
 石狩河口橋近くの堤防と同じ高さの駐車場のほか、堤防と道道との間に2カ所の駐車場があります。ただ、障害者対応のトイレがあるのは前者のみであり、途中に段差なしで木道に行けるいちばん近いのもその駐車場です。健常者には2番目の駐車場がいちばん近いのですが、途中に階段があるので車イス使用者には勧めません。
(2) 公衆便所
 堤防と同じ高さの駐車場内にあり車イス対応のトイレがあります。

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4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 札幌市から国道231号を増毛方面に向かい石狩河口橋手前の信号を右折、運河水門を過ぎた左手にある駐車場が便利です。
 中央バス矢臼場停留所(石狩河口橋のたもと)で下車、石狩の上流側に徒歩約10分の由ですが、車イスでのバス利用については要確認です。
《 車イスで散策 》 早春の動画
 駐車場から木道入口まで伸びる遊歩道がわかれば一本道です。遊歩道の両側から芝が侵入する箇所があり、ごく一部の区間の走行抵抗が大きい程度です。戻り道は連続する上りになりますが、縦断勾配がゆるいのと路面が平滑なアスファルト舗装なので特に負担に感じませんでした。木道は幅員が1mと狭く、縁板などないので交差を心配しましたが、前方が見通せる上に短い間隔で待避空間があるので石狩川の河岸まで安心に往復しました。駐車場から木道先端までの往復に要した時間は30分程度でした。

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所

 

35j 星置緑地

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方
   4月 ミズバショウほか 2021年, 2022年
   6月 初夏  2022年
   7月 盛夏  2022年

 

1 緑地の概況
《 所在地 グーグルマップ
 札幌市手稲区星置1条5丁目5-29
《 場所の特徴 》
 緑地は手稲市街地の西側、JR星置駅から約300mほどの位置にあります。南側をJR函館本線が走り、北と東西側には閑静な住宅街が広がります。緑地は住宅地の一角にある湿性林にて、早春にミズバショウの群生が見られるほか、エゾノリューキンカやキクザイチゲなどが一斉に花をつけます。緑地内には湧水(メム)が複数あり湿原の様相ですが、木道と観察デッキが整備されており車イスにて群生する湿生植物を見られます。
《 活動障壁 》
 緑地内には木道が四方に伸びており段差がありません。まわりの道路に高さをすり付けるため部分的に傾斜がありますが、縦断勾配が5%程度までに管理されています。また、四角形の緑地内の四辺に木道の出入口があり、緑地のどこへも誰もが容易に到達できます。

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星置緑地の木道

2 緑地の特徴
《 緑地の概況 》
 名前の通りに緑地で利用施設はベンチがある程度、一般の公園にある遊具などありません。早春に一気に花が咲きますが、そののち森の緑が濃くなり夏場は日陰で涼がとれ、それぞれの季節で緑地の持つ魅力を味わえます。
 早春のミズバショウが咲く頃に訪れたところ、キクザイチゲの白と青にエゾノリューキンカがときを同じくして咲いていました。また、名前のわからない花も咲いており、短期間に花をつける北海道の春を楽しむことができます。

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木道とミズバショウ
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ミズバショウとエゾノリュウキンカ
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キクザノイチゲ

《 緑地の利用者 》
 早春の花の季節は列車や自家用車にて、遠くからも多くの人が訪れます。それをすぎた時分に訪れたおりはひっそりとしていました。

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      3 サービス施設
(1) 駐車場
 なし
(2) 公衆便所
 緑地の隅に障害者対応の公衆トイレがあります。

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      4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 緑地はJR星置駅から約300mほど西にあり、徒歩5分程度の由です。移動経路に車道付属の歩道ないし遊歩道があり、アスファルト舗装である上に坂路がないので車イスでの移動が容易です。

《 車イスで散策 》   早春の動画
 ミズバショウの開花時期がわからず四度ほど自家用車で訪れ、繰り返し動画の撮影をしました。早春は木々が葉をつける前であり緑地の全体が見渡せ、木道は縦断勾配がほぼなく堅固かつ平坦な路面なので快適に散策できました。また、花の季節前に木道の清掃や補修の作業が行われていました。なお、エゾノリュウキンカやキクザイチゲの観察のため毎度3周しましたが、ざっと一周するだけなら9分ぐらいの規模です。

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所

 

 

35b 篠路・拓北の遊歩道

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方

 

1 遊歩道の概況
《 調査起点 篠路五の戸の森緑地
 札幌市札幌市北区篠路3条10
《 遊歩道の特徴 》
 北区篠路地区には水面を見せて流れる都市河川がいくつもあります。伏籠川、旧伏籠川、伏籠古川、旧琴似川、旧琴似川放水路、篠路拓北川などです。この地区に川の密度が大きい特徴を生かし河川敷や道路敷をつなぎ遊歩道が整備され、自動車に煩わされずに一定時間歩ける空間が作られました。橋のある部分には車道との交差があるものの、街路に付属する歩道に比べ極端に交差点が少ない遊歩道です。人々は行き交う車輌にわずらわされることなく、静かな川面を眺めつつ自分の世界に没入しながら安心に散策ができます。

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篠路・拓北遊歩道の調査経路

《 活動障壁 》
 この地区の川は石狩川下流部の後背低湿地にあり勾配が緩く、遊歩道は急な起伏の少なく車イスにも優しい道です。橋と交差する付近で路面が高いのですりつけがあるも、今回の調査区間では縦断勾配5%以下がほとんどでした。また、今回気の向くままに調査した遊歩道はアスファルト舗装がほとんどで、路面抵抗の大きな区間がありませんでした。

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遊歩道
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遊歩道と河川敷
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   2 遊歩道の特徴
《 遊歩道付近の公園》
 篠路五の戸の森緑地の駐車場を起終点とし、グーグルマップ に記入してある歩道をなるべく重複しないようにまわりました。
(1) 篠路五の戸の森緑地
 こんもりとした森の中の伏籠古川の低湿地と森とがあり野鳥観察ができるとのことですが、起伏が残るので車イスで楽しめる区域は限られます。ただ、駐車場と車イス対応トイレとがあるので、遠くからの利用者には行動拠点となります。
(2) 篠路ハルニレ公園
 篠路五の戸の森緑地と伏籠古川でつながる公園ですが、木々が少なく空がひらけ遊具のある公園です。
(3) 拓北いきいき公園
 篠路拓北川が大きく蛇行する川筋に囲まれた場所に作られた広い公園で、水辺に親しみやすい環境に遊具、芝生広場やテニスコート等があります。
(4) 拓北ミズナラ公園
 遊具や休憩場所のある小さな公園ですが、車イス対応トイレがあります。

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遊歩道沿いにあった公園

《 遊歩道の利用者 》
 遊歩道は住宅街の中に線状に伸びるので、近くの居住者ならいつでも自分の体力、気分や目的に合わせて散策できます。調査した折には散歩する老人、いろんな年代の親子連れ、犬の散歩やジョギングする人々を見かけました。

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  3 サービス施設
(1) 駐車場
 遊歩道は篠路五の戸の森緑地

(2) 公衆便所
 篠路五の戸の森緑地拓北ミズナラ公園とにあります。

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  4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》

 最寄りの公共交通駅はJR拓北駅から拓北いきいき公園まで徒歩約20分の由で、天気の良い日なら遊歩道を含めて楽しめるかもしれません。自家用車を利用し、篠路五の戸の森緑地を起終点に散策するのが安心な方法です。
《 園路》遊歩道をめぐる動画
 2020年の秋に当該地区にある遊歩道の一部を回ったのみにて、一連の区間の各所から枝分かれする遊歩道があります。調査者は駐車場とトイレのある緑地を起終点としましたが、遊歩道近くに住まう方々にはもっといろんな散策路があります。 

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所

 

35a 藻岩山展望台

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方  紅葉の藻岩山

 

1 公園の概況
《 所在地 グーグルマップ  》
 札幌市南区藻岩山1
《 場所の特徴 》
 藻岩山は札幌の中心市街から南西約5km、扇状地に突き出るようにせり上がる標高531mのピークです。そこで、展望台から北に札幌市街や増毛山地、西に日本海、南に恵庭岳、東に夕張岳などのパノラマが開け、四季を通じて多くの市民や観光客が訪れます。また、(一社)夜景観光コンベンション・ビューローが2014年に日本新三大夜景と認定したことで、その魅力があらためて注目を集めています。
 山頂へ上るにはロープウェイや観光自動車道などの乗り物の利用のほか、自力で登る登山道と複数の経路があります。車イスで上るにはもいわ山ロープウェイもーりすカー(ミニケーブルカー)を乗り継ぐか、藻岩山観光自動車道で中腹の駐車場に停め、もーりすカーに乗りつぐ経路が便利です。
《 活動障壁 》
 ロープウェイや観光自動車道を経由するルートはいずれもバリアフリー化してあり人的な支援もあるので、車イスでの活動障壁は特に認められません。ただ、ロープウェイ山麓駅の一般駐車場からの連絡路の縦断勾配が急な一方、駅脇の障害者専用駐車スペースが1台分なので、車イスで自家用車を使う単独行には注意が要ります。

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山麓から山頂への接続ルート

  2 公園の特徴
《 施設の概況 》
(1) 札幌もいわ山ロープウェイ
 山麓駅と中腹駅とを結ぶロープウェイで2011年に改修が行われました。ゴンドラの4面は窓枠が細く、窓際の場所なら夜景や秋の紅葉などを楽しめます。車イスでの乗降にはプラットフォームとの間に板を渡してくれるので安心です。
 運行間隔:15分、乗車定員 :最大66名、乗車時間:約5分

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ロープウェイとミニケーブルカーとの乗降口
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紅葉の藻岩山         札幌市街地 

(2) ミニ・ケーブルカー
 ロープウェイの乗換駅となる中腹駅と山頂駅との間を2両編成のミニ・
ケーブルカーが繋ぎます。観光道路を使い自動車で中腹駅に上る人も、これを利用して山頂と往復できます。
 運行間隔:15分、乗車定員:最大60名(2両)、乗車時間 :約1分40秒
(3) 乗降駅
 藻岩山の麓から山頂への移動に2つの乗り物を乗り継ぎますが、その乗降のため3つの駅(山麓駅、中腹駅、山頂駅)があります。いずれも多層構造ですが、すべての階がエレベータで結ばれ移動経路の連続性が保たれます。
(4) 藻岩山観光自動車道
 藻岩山観光自動車道は藻岩山の南側から入山する約3.5kmの有料道路で、ロープウェイの中腹駅前の駐車場までのぼれます。山頂展望台へはミニ・ケーブルカーか自然学習歩道(所要時間10~15分程)が利用できます。
《 公園の利用者 》
 札幌市民は老若男女が四季の折々に個人、友人や家族連れで訪れます。また、北海道内外や海外からの観光客の訪問も多く、昼の遠望や夜景を楽しみます。街場から展望台までの往復が乗り物を使えば短時間かつ軽い移動ででき、登山道を使うなら個人、友人や家族が手近に自然林を楽しめるなど、楽しみ方も多様で利用者を惹きつけます。

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  3 サービス施設
(1) 駐車場
(1.1) 山麓駅駐車場 約120台
 もいわ山ロープウェイ山麓駅の道を挟んだ下側に無料駐車場があります。駐車場から山麓駅へは急坂路があり、車イスでの単独の移動は危険を感じる急勾配です。ただ、山麓駅横に1台分の身障者用駐車スペースがあり、単独行の場合はそこを使えればラッキーです。
(1.2) 中腹駅前駐車場 約80台
 藻岩山観光自動車道を上ると中腹駅前の広場に駐車場があり、2台分の身障者用駐車スペースがあります。道路は山頂駅までありますが、一般車両の通行は中腹駅までのようです。
(2) 公衆便所
 障害者用トイレは山麓駅、中腹駅と山頂駅のいずれにもあります。
(3) 飲食施設
 山頂駅2階に札幌市街の眺望がよく、夜景が楽しめるレストランがあります。同レストランはテイクアウトの軽食も提供します。また、飲料の自販機が各駅にあります。

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  4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 山麓駅は市電のロープウェイ入口駅から徒歩で8分とのことですが、車イスでの移動には途中の道が急勾配に過ぎます。市電駅から1分の場所に無料連絡バスの発着場所があるそうで、シャトルバスが15分間隔に運行する由です。ただし、車イスで同バスに乗車できるか否かはわかりません。
 藻岩山観光自動車道の供用はゴールデンウイークから11月中旬の10時30分から22時00分の由です。
《 園路》 紅葉の藻岩山
 コロナ感染の鎮静化のタイミングをはかり、山が色づく頃に訪れました。山麓駅脇の専用駐車スペースには中途半端に駐車する車両がありましたが、隙間に車を停められたのが幸運でした。山頂展望台までの往復に身体や心に負担を感じる場所などなく、秋に装う藻岩山と札幌市街の俯瞰を堪能しました。

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所

 

35a 中島公園

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方
    5月 桜 2022年
    6月 フジ,ライラック 2021年, 2022年
    6月 バラと初夏の森 2021年  2022年
    7月 アジサイ 2021年
    7月 水遊び 2022年
    8月 夏の公園 2020年
    10月 秋の森と池と紅葉 2020年,  2021年

 1 公園の概況
《 所在地 グーグルマップ
 札幌市札幌市中央区中島公園
《 場所の特徴 》
 豊平川は明治期に扇状地の網流の名残をとどめ、本流と鴨々川とに挟まれた中島に公園が作られたのが名の由来です。公園は札幌市の歓楽街すすきのの南に位置しながら、池や森など自然的な景観が市民に親しまれています。また、公園内には国の重要文化財豊平館」や「八窓庵」などがあるほか、音楽ホール「きたら」や道立文学館、こども人形劇場こぐま座などがあり、いろいろな活動の場にも使われます。さらに、春のさっぽろ園芸市、初夏の北海道神宮例祭、年の瀬の歳の市や冬の「ゆきあかり」などが催され、四季折々に多くの市民が訪れます。
《 活動障壁 》
 遠方からのアクセスは公園の南北端に地下鉄の駅があり、バリアフリー化が済んでいるので車イスでも安心に訪れられます。公園内は起伏が少ない上に舗装の園路が多くの利用施設間を結ぶので、利用目的によりアクセス方法を選べば大抵の場所に苦もなく行けそうです。ただ、菖蒲池の脇に広がる森の中は雰囲気が良い一方、園路が非舗装で場所により車イスでの移動負荷がかなりあります。

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公園の施設配置と園路の縦断勾配

  2 公園の特徴
《 公園の概況 》
 札幌市の中心市街のほど近くにあり、水と緑が豊かな憩いの場として親しまれる公園です。
(1) モニュメントのある広場と森
 公園の中央部の菖蒲池に接する一角に木立が密集し、夏は日差しが遮られ木漏れ日が揺れます。その中を走る園路脇には屋外彫刻やモニュメントがいくつもあります。

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公園のメインの園路
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森の中を走る園路

(2) 菖蒲池
 開拓初期にあった池を貯木場として利用したのが始まりで、中島遊園地の設置後に池を中心に公園が作られ、大正末期に現在の形になりました。池は貸しボートを楽しむことができ、現在も園路からとは異なる景観を楽しめます。

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菖蒲池

(3) 日本庭園と八窓庵
 中島公園には池泉回遊式・池泉庭園の日本庭園があります。その一隅に江戸初期の大名であり茶人の小堀遠州が設計したとされる茶室「八窓庵」(国指定重要文化財)があります。春にはシダレザクラ、秋には紅葉が多くの人々を楽しませます。

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日本庭園

(4) 豊平館
 開拓使1880年に高級西洋ホテルとして建て、後に公会堂となり、1958年に中島公園に移設されました。保存修理と耐震補強を含む工事が行われ、2016年から昼間は観覧施設、夜間は貸し室として使われるほか、結婚式にも使える由です。
(5) コンサートホールきたら
 札幌市の音楽専用ホール。「国内外の音楽家が集い、札幌から音楽を創造する空間」「市民の教育の場としての空間」を事業展開のコンセプトとし、主催事業と貸館事業をする由です。

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  音楽ホールきたら     フリーマーケットの広場

(6) 北海道文学館
 北海道出身の文学者や北海道にゆかりの深い文学者に関する文学資料が展示があります。常設展は直筆原稿や書簡・初版本など貴重資料約1,800点を展示し、北海道文学の流れをわかりやすく紹介します。
(7) こども人形劇場こぐま座
 日本初の公立人形劇場として建設され、定期的に人形劇公演を行う施設です。アマチュア人形劇団の育成や北海道外海外のプロ人形劇団招致にも多大な成果を上げている由です。
(8) 児童遊具施設
 人形劇場こぐま座と児童会館の前にある広場隅に、子ども向け遊具が各種あります。すべり台、ブランコやシーソーなど昔ながらの遊具から、大きいコンビ遊具などがあります。
(9) 運動施設
中島スポーツセンター
 北海道立中島体育センターとして1980年に開館し、2000年に札幌市に移管され札幌市中島体育センターと改称しました。
 施設内にはバドミントン3面、バレーボール1面、テニス1面、卓球12台、フットサル1面、県道2面ほかトレーニング室などがあります。
中島公園庭球場
 夜間照明のあるアンツーカーコートが6面あり、1,500人収容の観客席が備えてあります。
《 公園の利用者 》
 公園の南側には商業施設や歓楽街があり、北側には住宅区域が広がるので、公園には居住者だけでなく周辺で働く人々が訪れます。公園内にいくつもの文化や運動の施設があるほか折々にイベントが開かれるので、それらの利用の行き帰りに公園を楽しむ人々も見かけます。

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  3 サービス施設
(1) 駐車場
 なし
(2) 公衆便所
 障害者用トイレは南9条(交番隣茶屋隣)、南11条(文学館北豊平館豊平館南)、南12条(北海道文学館音楽ホールきたら)、南13条(自由広場南)、南14条(行啓通)にあります。

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  4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 地下鉄南北線中島公園駅」ないし「幌平橋駅」下車すぐ
《 車イスで散策 》 夏の公園を二回りの動画 秋の森と池と紅葉の動画
 公園の木々が日差しを遮り涼を感じさせる時分と、葉が色を変え華やかに装う時分とに動画を撮影しました。公園が広いことから一筆書きの移動で全体の様子を紹介できず夏は二回り、秋は夏に回りきれなかった森の中を散策しました。公園内はほとんど起伏がない上に舗装遠路が張り巡らされいるので、移動における負荷は少ないものでした。ただ、森の中の非舗装園路は車イスの前輪が不安定で、少々てこずりましたがそんな程度でした。

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所