4動画「車イスで公園にくり出そう 札幌」の制作・提供の背景と意図と具体設計
「車イスで公園にくり出そう 札幌」の制作・提供の背景と意図と具体設計
身体機能の維持と国際生活機能分類
1 福祉のまちづくりの目的と国際生活機能分類
2 「できること」と「していること」
3 「できる」から「やる」へ
4 活動や参加をためらわせる個人因子
障害者やフレイル周辺の人々の在宅リハビリテーション
5 在宅における自主リハビリテーション
6 外出先としての公園の特徴
「車イスで公園にくり出そう 札幌」の設計仕様
7 情報設計への落とし込み
8 情報へのアクセスルート
1 福祉のまちづくりの目的と国際生活機能分類
福祉のまちづくりの目的は心身に不調ないし衰えを抱える人々が、日常活動や社会参加をなるたけ幅広くまたより長く続けられる社会の創出と考えます。福祉のまちづくりではそんな人々の抱える心身の不調に対する医療や福祉になる働きかけや日常活動や社会参加の場における環境整備は目的達成のための手段です。これら福祉や医療によるサービス、行政や諸法人による環境整備と人々の日常活動や社会参加の関わりほかについては、世界保健機構になる国際生活機能分類の関係図がわかりやすく、これにより動画制作の背景と意図とを説明します(別図ご参照)。
医療や福祉分野による機能回復サービスで対象とする人々(以下ターゲットグループ「 TGの人々」と記す)のフレイルからの回復、緩和ないし進行の減速を目指す働きかけが、同図中段左にある「心身機能・身体構造」です。ただ、TGの人々が抱える心身の不調の内容や深刻度により機能回復の到達水準に限界があり、また心身の成長や加齢によっても効果に違いが生じ、一人ひとりの日常活動や社会参加を広げられる内容や期間が限定的です。障害者基本法とその関連法令は障害者のみならず、高齢者その他心身に問題を抱える人々の社会活動に対する物理的障壁の除去や緩和を目指しますが、その取り組みは下図下段左にある「環境因子」に相当します。そんな環境改善策も地域社会として投入できる資源や活動の場の持つ特徴により制約があり、環境因子が課題解決に寄与できる水準にも限りがあります。
図で上述の二つの働きかけは両方向の赤矢印で結ばれ、かついずれもが達成を目指すTGの人々の「活動」や「参加」とも両方向の矢印で結ばれます。両方向の矢印は一つひとつの働きかけの効果に限界があるなか、一方の限界を他方が補う相互補完により総体のサービス水準の向上を目指す意図を示します。そんな両方向の矢印は単発的でなく無限ループ的に相互補完を追求し、達成水準の向上を続けることを求めます。これらの働きかけが深まるに従い、TGの人々が日常活動や社会参加において「できる」ことの領域が広がり、また自立し続ける期間を長らえることに寄与します。つまり、これらの働きかけはTGの人々一人ひとりにおける諸々の行動の「可能態」の活動の拡大や期間延長に寄与するものです。
2 「できること」と「していること」
国際生活機能分類の構成要素と相互の補完関係にかかる解説文を読むおり、TGの人々の達成目標である日常活動や社会参加について、個々人の「できること」と「していること」との間のギャップが見られるとの指摘に接しました。つまり、TGの人々一人ひとりの身体能力や周辺環境から自立するはずの行動に関し、日常活動や社会参加に踏み出さない例が少なからず認められるとのことです。それが当人にとり不要な所作や意にそぐわない活動であるとしたら、誰もが行う選択でありことさら問題視するにあたりません。しかし、そのギャップが当事者が明確な意図を持ち「しない」のではなく、何らかの別の理由によるとしたらそれを明らかにし対処する必要があります。
障害者や老人ができるはずのことをしないことは有意義に過ごせるはずの人生の終を無意に帰するだけでなく、諸分野が連携して作り上げるサービスの無駄遣いになります。さらに身体の使う部位は筋力や可動域が維持強化される一方、使わない部位は急速に衰え硬化するので、「しない」ではなく「できない」へと容易に変わります。さらに、「しない」ことで一部の部位の機能低下に始まり、周辺や関連する部位の衰えへと波及し、その連鎖がフレイル化を早め深化させる負の連鎖へとつながりがちです。他方、「できること」を日々続けるならフレイルからの回復が期待でき、フレイルが進むとしても速度が鈍化するなど、正の連鎖に導くことができます。生命体としての衰えより早く運動機能の衰えが進行すれば不健康寿命が長くなり、当人にとっても家族にとっても終わりの見えない闘いを長期で強いられることになります。
3 「できる」から「やる」へ
心身活動の不活性化が危惧される人々が能力的に「できる」活動や参加に踏み出さない理由はそれぞれです。ただ、活動環境が整っているのであれば、自身が阻害要因を抱える可能性があります。中途障害者としての自分の心に問いかけるなら、受傷以前と異なる所作の要やそれに伴う周囲の反応などが気掛かりでした。
① 何も考えずにできたことでできないことがあまりに多い
② 頑張ればできるとしてもその労力や苦痛たるや絶大
③ できたとしても以前の数倍もの時間を要し、他者の時間を奪う
④ できたとしても以前の数倍もの空間を要し、他者の空間を奪う
⑤ できたとしても他者と異なる方法や道具が必要なことを受け入れ難い
⑥ 新たな活動では排泄のタイミングと場所がクリティカルポイントになるが、現実的にその確保が難しい
⑦ するには他者の同行や支援が前提のケースが多い
⑧ できたとしても達成感や満足度が激減し、ときに屈辱感もある
これらはリハビリ療養期間に担当医師から再三求められた「障害受容」ができていないゆえかもしれません。そうであるなら筆者は受傷から四半世紀以上を経てもなお「障害受容」ができない特殊事例かもしれませんが、「障害受容」が不十分な人々がほかにもいる可能性があります。とくに、齢を重ねた人々は身体能力の急激な変化に心が追いつけずに悩む人もいそうで、そんな人々の心理障壁「個人因子」への働きかけが必要と考えます。
4 活動や参加をためらわせる個人要因
TGの人々がおのおのかかえる心理障壁を乗り越えられなければ、身体機能や活動環境が整ったとしても活動や参加の機会が限られます。そして使わない能力は失われるので、医療機関で受けたリハビリの効果も退院後は日常で使う一部を除き直ちに失われもとのもくあみになります。中途障害者としての自身の経験から心理障壁を推測するなら、安住する日常から踏み出すことをためらわせる要因が三つに大別できます。まず障害を負ったことに伴う心の変化であり、ついで住まいを離れた折に遭遇する事故に対する懸念であり、加えて活動や参加にて得られる喜びや充実感が想像できないことがあります。つまり、安住の世界から踏み出したくない上に、不慣れな場にて事故が想定される一方、行動に期待感が持てなければ活動や参加への動機も意欲も起こるはずがありません。
身体能力が低下する以前なら自然に無理なくできた所作や活動に大きな努力、激しい苦痛が伴ったり、想定以上の時間を要したり、うまく身体の動きを完了できなかったり、他者の力を借りねばならなかったり、挙句に目的を達成できなかったりなどは認めたくない現実です。そのときどきの身体能力によりできるなかで生活の質を保つことが、非日常の喜びがなくとも心穏やかに暮らすことができるのです。
人々は身体能力や暮らし方に合わせて生活の場を整え、大小の不便があるとしても慣れ親しんだ環境にて心安く日々を過ごします。そんな安全安心の約束される住まいを離れ、不確かな場に踏み出すことには心理的な抵抗の起こるのは必然です。日常を離れた活動に重大な障壁がなくとも、玄関を出てから帰るまでに行う長い鎖状の行動の一個所でも不都合があれば重大事故に繋がりかねません。
身体機能の低下により外出活動に対し種々の制約が出るので、以前ほど活動に期待感が持てないことは避けられません。ただ、個人的には多くの公園でいろんな季節のエンターテインメントを調査するなかで、自分の中に不知がもたらす忌避意識があることに気づきました。つまり、身体能力の低下によりできないことや使えない場所があるのが現実ですが、足早に通り過ぎていた折に目に入らなかったものが見えることもあります。そんな折に感じたことどもを以下に紹介しますが、個人的な印象、持論の域を出ず一般化できないばかり内容です。
筆者の場合は家族を養うため退院後に職場復帰し、否応なく外出を繰り返す日常になりました。その間、安住できる自宅の外における活動の負の印象が漸減する一方、遭遇する事故に対し心の免疫が強まったと感じます。大小の事故を経験する以前に抱いていた懸念のいくつかは、不知、誤解や過剰な心配に起因することもありました。また、我慢の末にとった行動により健常であった頃の楽しさが思い出されたり、健常であった頃には見えなかった何かを発見するなどもありました。つまり、障害者や老人が心身機能の低下により既往の環境での活動に恐れを抱くとしても、心のうちにある不知に光を射し、誤解をほぐし、過剰な心配に応える情報を提供できるなら、最初の一歩を踏み出す勇気を持てる可能性があります。最初の経験により外出への自信や人生の楽しみの再発見が少しでも実感できるなら、あとは活動の繰り返しが好循環をもたらすかもしれません。バリアフリー新法の施行により地域社会における活動環境が整いつつあり、上述のような個人因子への働きかけが必要なフェーズにあると考えます。
5 在宅における自主リハビリテーション
医療的なリハビリテーションは不調のある部位に効率的に働きかける一方、多くが辛く単調で在宅後の自主継続が容易でありません。他方、日々の生活で繰り返す所作は使う部位の筋力や可動幅の維持に有効ですが、ルーチン化する日常は身体の使う部位に偏りをもたらします。それを補い局部的な筋力の低下や関節の拘縮を回避するのに、非日常的な活動を取り入れることが有効です。屋外に出ての庭いじりや買い物や散歩などの外出は多様な動作や不陸路面での歩行を伴うので、無意識のうちに体幹の維持や日常生活で使わない部位への働きかけが行われます。そんな活動は日常で使わない部位を含む総合的リハビリテーションになり、義務感や負担感なく普段使わない部位に負荷を課すとともにいろんな部位のストレッチの繰り返しが期待できます。
ためにする外出は医療的なリハビリ同様に徐々に義務感が生じかねませんが、買い物や散歩などなら毎日でもできますし、筋肉への負荷の軽重や関節の伸縮のおよぶ部位の組み合わせが選べます。また、外食は心身に多様なリハビリ効果をもたらすだけでなく、義務感や負担感よりは楽しみがまさり能動的に出かけられるでしょう。そんなリハビリ効用を幅広く期待できる活動の一つとして、多くの公園の通年的な利用の動機づけに個人因子へ働きかける情報づくりを目指しました。札幌市内には多様なエンターテインメントのある公園が各所にある一方、その魅力や活動障壁にかかる情報が十分に伝えられていないと感じたからです。
6 外出先としての公園の特徴
障害者や老人の公園利用は健康一般の保持(①)、身体のリハビリテーション(②から④)だけでなく、認知や時間認識機能への働きかけ(⑦、⑧)、それらを能動的かつ楽しみつつ人生を豊かにする(⑧、⑨)効果も期待できる場で、かつ同行者が一緒に楽しめるなら気兼ねなく誘える(⑨)などの特徴があります。
身体に陽光を浴び、外気に触れ、自らの姿を他者の視線に露出する
公園への外出は心身の多くの部位に日常生活は加えない負荷を与える
医学的なリハビリは義務的、公園は自発的に行える楽しめるリハビリ
利用者の身体能力の衰微や回復の状態に応じ活動領域を広くも狭くもできる
日常は安全・便利な人工環境のなか、自然物に触れる機会が少ない
公園も人工環境だが植物など自然由来のエンターテインメントに触れられる
普段は車イスで近づきがたい本物の植物に容易に近づき触れられる
季節ごとに移り変わる花や景色に接し、ときの流れを感じることができる
同行者が主体的に自らの感性を楽しめ、支援を受ける側の気持ちが軽くなる
他方、公園は野外にあり広い区域に広がることから、障害者や老人が利用する上では気掛かりな特徴もあります。身体能力に衰えのある人々が安心に楽しむには、活動障壁が小さくかつ手軽にトイレが使えることが必要だからです。ただし、地形勾配等の障壁による活動への負荷は身体能力により極端に異なるため、障壁の厳しさを多様な身体能力の人々に簡明に示すことに難しさがあります。また、幅広い運動能力の人が使えるトイレも同様で、トイレの設計仕様のみならず設置場所なども影響します。身体能力に制約のある人々が公園に着いてから使用の可否や難易を知るのでは遅すぎで、公園を訪れる計画段階で知ることが現場での事故防止と安心に欠かせません。そんななかで気掛かりな問題意識は次のような特徴です。
公園内の移動には園路勾配、路面抵抗、所要時間などで障壁の難易が異なる
季節により楽しめる場所が分散的にあり、アクセス路により難易度が異なる
同行者の有無により活動領域が大きく変わることがある
広い園内で花などのある場所や時期を事前に知ることが容易でない
一般向けの情報があっても移動弱者むけはトイレの有無程度しかない
TGの人々は身体能力の違いにより環境障壁のほんの少しの違いでも利用性に重大な影響を受けます。しかし、中規模以上の公園の活動環境は元々の地形の影響が色濃く残るので、都市公園移動等円滑化基準を満たす園路が限られた動線だけないし一部区画にはとどかないということも起こります。公園管理者以外のものがこの問題に対し障害者や老人の公園利用における安全安心を広げるには、移動障壁の実態を的確に情報化することが求められます。そして、幅広い運動能力の人々がそれぞれの身体能力で活動できる領域を判断できる情報作りが必要と考えました。
7 情報設計への落とし込み
以上のような問題意識のもとで幅広い身体能力の人たちが安心安全かつ自らの意思で公園を訪れようと思いたつよう、背中を押すことのできる情報に落とし込みを図りました。その際に情報システムの仕様を次のように考えました。
(1)提供情報の枢要
情報提供の枢要は訪問者の ① 安全と安心および ② 公園を訪れようとの意欲の喚起と考えました。情報自体は公園の活動環境を直接的に変えられませんが、どこにどんなエンターテインメントや移動障壁があり、身体能力に制約を持つ人々が自ら利用できるかどうかを判断できる情報づくりを目指しました。公園を訪れようとの意欲の喚起については、人により心惹かれる対象がそれぞれ異なるので公園内の移動経路沿いにどのような魅力があるかを面的に伝えるように考えました。
(2)情報提供のメインターゲット
情報提供でメインターゲットとするのは移動制約を持つ人々であり、車イス使用者だけでなく老人も射程に含めます。いずれのグループも普段は活動障壁を極力取り除いた人工環境のなかで暮らしており、公園も人工環境ながら自然物を素材とすることで新鮮味のある経験できます。
メインターゲットだけでなくサブターゲットも頭の隅に置きました。メインターゲットとする人々が公園を十全に楽しむ上では、手助けできる人の同行者がいれば活動の幅が広がるだけでなく楽しさや驚きを共有できるからです。しかし、同行者が常に介助者としての役割を担うのだとしたら、回を重ねるうちにいずれの側の心にも少しずつ澱が溜まりかねません。そんな澱が蓄積すると障害者や老人の側に引け目や遠慮が生じやすく、同行者が訪れることを心から楽しめる公園であると信じられるなら両者の檻を溶かせるでしょう。
多くの公園は身体能力が異なる人々が一緒に楽しめる基本条件が改善傾向にあるので、公園を訪れる計画の段階で皆がそれぞれに楽しめると確信できる情報づくりが望まれます。
(3)安全安心のための情報
安全と安心とのための情報はブログの文字、図面情報とYouTubeの動画情報とで提供します。ブログでは基本情報として公園の住所、地形の概況、エンターテインメント、駐車場、車イス対応トイレ、飲食施設や物販施設等について文字で紹介します。公園内の移動環境を示すため、施設配置や園路の状況を平面図で示しました(前頁図ご参照)。園路のうち坂路については縦断勾配を数段階に分けて矢印の色で表示し、利用者が単独で利用できる、同行者が必要ないし利用が無理などを判断する材料として提供します。車イスでの移動では路面状況もまた抵抗負荷となることがあるので、園路面の違いを色で塗り分けました。園路の勾配の区分については次の通りです。さらに、区間距離の目安となるスケールを入れました。
園路勾配(平面図:矢印、動画:三角枠)
青 緩坂 〜5% 移動円滑化基準内
黄 急坂 〜8% 移動円滑化基準特例の勾配
朱 激坂 〜12% 移動円滑化基準をこえる勾配
赤 危険坂 〜16% 落車の危険がある勾配
紫 超級坂 16%〜 超危険な勾配
なお、坂路をグループに区切る勾配の大きさはバリアフリー新法の都市公園移動等円滑化基準の値を参考にしました(青枠囲みご参照)。園路は公園移動等円滑化基準にそう無色ないし青色矢印の園路で結ぶのが望ましいのですが、広大で野外に広がる公園から地形の影響を完全に除くことが公園の特徴を壊すこともあります。ガイドラインは「やむを得ない場合は8パーセント(黄色矢印)」まで認めますが、丘陵地や山裾に広がる公園もあるので実際の公園には朱、赤やまれに紫色の坂路がありました。なお、坂路の勾配はデジタル式の勾配計で計測することを胸としましたが、調査を重ねる中で体感で区分した公園もあります。
主な路面状態の例
アスファルト舗装、コンクリート舗装、平らなブロック敷き路面ほか
弾性舗装路面、締まった土路面、インターロッキング舗装ほか
砂利敷き路面、木チップ敷き路面、石畳風ブロック路面、芝ほか
動画は車イスのフレームに360度撮影のカメラを固定し、公園の入口から主なエンターテインメントをめぐり、入口に戻るまで連続撮影しました。360度撮影の動画素材は進行方向の園路が入るような画角で切り出し、公園に入ってから出るまでの全動線の状況を連続で見られるように編集しました。ただし、動画画面だけからでは園路の縦断勾配や路面状況がどれほどの抵抗負荷となるかや危険度が伝わらないので、画面の右下に園路勾配と路面状況とを表示しました(下写真ご参照)。また、坂路の延長が長くなると勾配や路面状況と一緒に移動負荷となり加わるので、必要に応じ動画画内に延長を示しました。なお、園路の縦断勾配は三角形のマークの内に表記し、三角形を勾配の区切りごとの色で示しました。また、路面状況は文字で記す一方、走行抵抗の大小から地色を青、黄と朱とで塗り、文字表現を理解しない人にも一定程度伝わるように考えました。
なお、動画の最後に調査・撮影者のプロフィール、年齢70歳前後、第1腰椎不全麻痺、車イス使用歴30年弱、性別男と示しました。本情報を使う人々がおのおのの身体能力と比較し、独力で移動できる動線や他者の助けが必要な区間を推測し、公園の楽しみ方を考えるヒントとしました。
(4)訪園の気持ちを引き出す情報
動画には動線ぞいの活動障壁だけでなくいろんなものが映り込み、樹木、草花、遊具、オブジェ、利用施設、トイレなどなどです。撮影した動画はそのときどきの公園の主なエンターテインメント(上写真ご参照)を中心に編集し、それぞれの公園が季節の移り変わりで魅せる魅力を利用者に紹介します。ただし、公園利用者は好みが一様とは限らないので、移動区間にある植物や施設などをより広く紹介するように考えました。
8 情報へのアクセス方法
本件情報は札幌市内各所に点在する中規模以上の中から調査者が関心を持った公園を紹介するもので、それぞれに季節ごとに移り変わるエンターテインメントが含まれます。また、公園以外に一般に公開されている民営の庭園、植物園、大学キャンパスや防風林も紹介の対象としました。これらを利用するのは地域的な近さを求める人だけでなく、季節の楽しみを広域から求める人もおり、それぞれの意向にそい容易に情報にたどり着けることが必要です。本情報システムは未だ手探りで開発途上ですが、現段階で二つの手順、公園名から季節の魅力を探すルートと、季節の魅力からそれがある公園を探すルートとを用意しました。
(1)ブログの公園紹介ページより
公園の基本情報を紹介するブログでは各公園を撮影し、情報化した動画の全容を季節の順にリスト化し、YouTubeの動画へのリンクを張ってあります(頁右上SCご参照)。近間の公園の利用可能性を探るのであれば、公園の規模と地形勾配ごとに整理したリスト(頁右下SCご参照)から適当な公園を開き、訪問予定の時点に近い季節の動画から移動障壁やエンターテインメントを確認します。その公園の内容が希望に合わなさそうなら、別の公園のブログを開き同様のチェックを繰り返すことになります。SCで例示した百合が原公園は札幌市内で最も季節を通して楽しめる公園ですが、夏から秋にかけては息切れします(息切れは調査者の方かもしれませんが)。冬でもツバキ、ミモザやマーマレードブッシュのほか、ランやアザレアなどの企画展があるので足を運ぶ理由がいくつもあります。
(2)YouTubeの再生リストより
季節ごとに特定の花のある公園を探すにはYouTubeの再生リストが便利です(下SCご参照)。北海道で早春に花を咲かせるスプリングエフェメラルを見られる公園の動画をまとめたのが上の再生リストです。2023年現在でほかに春から秋にかけミズバショウ(4月) 、桜や梅(4、5月)、春の森(5月)、ライラック(5月)、フジ(5、6月)、バラ(6〜10月)、ユリ(7月)やアジサイ(7月)、水遊び(7、8月)や紅葉(10、11月)があります。今後、夏、秋に人々を惹きつけるエンターテインメントのある公園の再生リストを増やし、積雪期を除き訪れてみたいと思える公園のメニューの充実を図ります。
《参考》本文で引用したスクリーンショットのページのURL
百合が原 https://sprwcwalker.hatenablog.jp/entry/2021/02/25/161353
目次 https://sprwcwalker.hatenablog.jp/entry/2019/12/02/105743
再生リスト https://www.youtube.com/playlist?list=PLNCGnm10gMlKtEkAkChSEIpeZX6aSpn4x