車イスで街にくり出そう_札幌

車イス使用者が札幌市を中心に地域活動するのに有用な情報を提供します。

35a 北海道神宮

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方     春の参拝と境内散策
               秋の参拝と境内散策
               桜の季節の動画 2021年, 2022年

 

1 公園の概況
《 所在地 グーグルマップ
 札幌市中央区宮ヶ丘474
《 場所の特徴 》
 北海道神宮は札幌市街中心部の西方、円山の裾野の傾斜地にあります。境内の南側に円山動物園と円山原始林、西側に総合運動場、東側の段丘の下に円山公園そして表参道(北1条宮の沢通り)が走る北側に閑静な住宅街が広がり、鬱蒼と茂る木々もあり厳粛な雰囲気を醸します。


《 活動障壁 》
 車イスでの参拝や散策における活動障壁は高さの獲得と路面抵抗があります。神門前に大きな階段と急勾配のスロープがありますが、その脇にある慶陽館内にエレベータがあります。他方、参道には小砂利が敷き詰めてあり、車イスでの走行にかなりの抵抗です。小砂利層の薄いルートを探しながらたどるのが得策です。

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北海道神宮の施設配置と参道等の縦断勾配
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  2 北海道神宮の特徴
 北海道神宮明治天皇による「開拓民たちの心のよりどころに」との詔により設置が検討され、島義勇判官が円山の地に社殿を造営することを決め現在に至る由です。神宮はいまも初詣、厄祓い、節分、婚礼など道民の暮らしのいろいろなシーンに深い関わりを持ち続けます。
《 施設の概況 》
 神宮境内には神宮にまつわる建造物があるほか、円山原生林のなごりの樹木や神宮の設置に際し植えられたスギなどが森をつくり、野生のエゾリスが見られるなど円山公園とともに市民の憩いの場となっています。
(1) 北海道神宮
 本殿、拝殿や神門をはじめとして伝統様式の建物が整然と並び、特別の行事がなくとも参拝に訪れる人があとを絶ちません。参拝者が第二鳥居をくぐり大木が見下ろす小砂利敷きの参道を進むと、神門前の広場に手水舎があります。神門のあるステージが高く12段の階段で結びますが、脇に仮設のスロープがあるものの縦断勾配が12%を超えます。階段の上に出ると参道の直線上に神門と拝殿が並び通路が石板に変わり、拝殿前にもまた階段がありますが脇からスロープで回り込む動線がしつらえてあります。多くの人々はこれらの経路を辿りつつ一定の所作を踏みながらお参りしており、神社らしい厳粛な空気を感じられる場所です。

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神門から拝殿         神門前   

(2) 境内の森
 およそ18haの境内には樹齢数百年のカシワ、ハルニレや神宮設置以降に植えられたスギなどが森を作り、また春には園路沿いの桜や梅が彩りを添えます。境内は花をつける樹木だけでなく、常緑の杉の大木や秋に葉を落とす広葉樹が混じり、四季を通じて訪れる人々の目を楽しませます。
(3) 境内社と碑
 境内に3つの社や多くの記念碑、歌碑があります。境内の散策の折に何があるかを見て回りつつ、北海道開拓の歴史や文化に想いを巡らすのも一興です。

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   開拓神社          円山公園から通じる参道

(4) 境内裏の森
 南一条駐車場から境内の裏側に向かう散策路があり、広葉樹の森をめぐります。春から秋にかけて森の香を吸い、変化する葉の色をめで、気持ちの良い時間と空間とが味わえます。

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神宮境内裏の散策路

《 公園の利用者 》
 札幌市民や北海道民が何かにつけ訪れる場所ですが、近年は外国からの観光客の訪問が増えました。北海道民は季節の行事、厄払いや祝いごとに折々訪れますが、外国人にはそんな文化や建物などにも惹かれるのでしょうか。

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  3 サービス施設
(1) 駐車場
 北一条駐車場 170台
 南一条駐車場 70台
 北一条駐車場のゲート係員に車イス使用者用スペースの場所を尋ねたら、社務所前に誘導されました(2020年9月)。
 駐車場の利用方法や料金がときおり変りますが、2021年3月時点で一般参拝者は入庫後30分まで無料(認証不要)、入庫後1時間以内(30〜60分)が500円、その後1時間刻みで500円ずつ加算される由です。
(2) 公衆便所
 障害者用トイレが参道脇にある手水舎の近くにあります。
(3) 参拝者休憩所
 境内の参道近くに神宮茶屋と六花亭茶屋があり、腰を下ろして甘いものをとられます。また、北一条駐車場内に神宮の杜白鹿食堂があり、昼どきなら食事をとられます(ただし玄関のスロープが危険坂レベルです)。

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  4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 地下鉄東西線円山公園駅下車から徒歩15分ほどですが、車イスだと円山公園と神宮殿の間に横たわる段丘崖の標高差を上るのがかなり骨です。自家用車か営業車で駐車場に乗りつけ、下り勾配になる帰路に円山公園を散策するのが安全策です。
《 園路》園路をめぐる動画
 2020年のとに神宮の参拝がてら、境内と周辺の森を散策して動画を撮りました。参拝については障害者用の駐車スペースとエレベータが使え、移動がとても楽でした。散策は小砂利の散策路で走行抵抗が大きく、また車イスのキャスターが小砂利や不陸ではね上げられ映像にかなりの乱れがあります。健常者の動画では見られない上下動は、車イスのフレームに固定したカメラの向きの激動の反映です。そんな映像の乱れから走行の苦闘を想像ください。

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所