車イスで街にくり出そう_札幌

車イス使用者が札幌市を中心に地域活動するのに有用な情報を提供します。

35h 豊平峡ダム園地

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1 公園の概況

2 公園の特徴

3 サービス施設

4 車イスでの歩き方

     紅葉の動画 2019年10月, 2021年10月

 

1 園地の概況
所在地(グーグルマップ )
 札幌市南区定山渓840

《 場所の特徴 》
 豊平峡ダムは札幌市を貫流する豊平川の上流、定山渓温泉地区に建造された多目的ダムです。定山渓地区の山々はもともと紅葉の名所で、カエデ、ヤマブドウ、ナナカマド、サクラ、シナ、カツラなどが山を彩り、貯水池周辺が園地として開放されています。ダム園地は貯水池脇にそそり立つ岩壁、四囲に広がる森の新緑や紅葉、アーチ式コンクリートダムやダム湖が特徴です。
 園地は工事用に掘削されたトンネルの奥にあり、ダム建設により道路が整備され多くの人々が紅葉を楽しめるようになりました。そこで環境を保全するため一般車両の通行はトンネルの手前の駐車場までに規制され、その奥へは徒歩か札幌市の委託を受けた法人の運営する電気バスで移動します。
《 活動障壁 》

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ダム園地の平面図


 観光場所となるダムの堤頂と園地の大部分はほぼ同標高で、舗装されているので車イスの移動負荷はさほどありません。ただし、ダム他貯水池を俯瞰するレストハウスは高い場所にある一方、連絡通路は同行者がいても危険な急勾配です。園地奥にあるダム資料館はダムの役割などについて紹介し、2階建てですがエレベータがあるので車イスで全体を見られます。
 駐車場からダム園地に至る道路脇には歩道があり、起伏が少ないので車イスでの移動が可能です。ただ、距離が2kmほどある上に移動区間のほとんどがトンネル内で見所が少ないので勧めません。

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  2 公園の特徴
 ダム園地の特徴は人里から隔絶された深山に、ダム、貯水池と森の息吹を満喫できることです。
《 施設の概況 》
(1) 豊平峡ダム
 ダムは建設する場所の条件によりいくつかの形式がありますが、豊平峡ダムはスレンダーで鉛直に近いアーチ式ダムです。堤頂は名前のとおりにアーチ状の曲線を描き、構造物としても魅力的な存在です。観光客の訪れる季節にはダムの中段付近から、スプレー状に観光放流が行われ目を楽しませます。貯水池は水面が心地よいばかりでなく、秋には対岸の山や森の姿を映します。

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   アーチ型のダム堤体と岩山          観光放流

(2) ダム資料館
 ダム資料館「ひふみみはなめ」は札幌市の市街地や住宅地の拡大、豊平川の氾濫の歴史や豊平峡ダム建設の経緯を紹介します。また、ダム周辺の山や川に生息する動植物にかかる資料を展示しています。資料館の窓からはダム湖とその背景にある山々が大きな枠に切り取られ、光の加減で表情を変える一幅の絵を思わせます。

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  資料館の窓を通してみる貯水池       資料館の展示

(3) 千丈岩
 ダム堤体の上にそびえ立つ千丈岩は、白っぽく輝く岩肌と紅葉の赤や黄色の木々がきれいな午前が見ごろです。

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      ダム堤体と貯水池        千丈岩の紅葉

《 公園の利用者 》
 豊平峡ダム園地は紅葉が有名で、札幌市民はもとより国内外から北海道観光に訪れる方々が多く見られます。自動車とハイブリッド電機バスを乗り継いでくるので、老若男女や移動制約のある人々も訪れる姿があります。

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  3 サービス施設
(1) レストハウス
 レストラン「だむみえ~る」(6月上旬~文化の日)
 売店 9時~16時、食事 10時半~15時半
(2) 公衆トイレ
 公衆トイレは一般駐車場ダム園地とのバス発着所の近くに1ヶ所ずつあります。
(3) 駐車場
 一般車両250台分
 障害者用はハイブリッド電気バスの切符売り場近くに3台分
(4) ハイブリッド電気バス
 駐車場のある乗車券売り場で障害者割引の乗車券を購入すると、車イスに乗ったまま乗り込めるリフト付きのバスを手配してくれます。

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バスト昇降リフト

 2020年の運行は6月~文化の日、8時半~16時(戻りは16時半)、5~6分ほどの乗車です。
 駐車場からダムまで2つのトンネルを越えて約2kmありますが歩けます。道中のほとんどがトンネル内で歩道があり起伏も少ない一方、景観を楽しめるのが2つのトンネルが谷で途切れる短い橋から九段の滝が望めるぐらいです。

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  4 車イスでの歩き方
《 アクセス 》
 札幌から車で約33km、国道230号線を南下し、定山渓温泉街を過ぎたら豊平峡方面へ左折。公共交通機関での訪問は勧めません。
《 ダム園地 》紅葉の動画
 ハイブリッド電気バスを降りたら園地のほぼ全体が見渡せますので、関心のおもむくままに見て回れます。園内は一般車両の通行がないので、管理用のアスファルト道路の水平な中央部を選んで歩いても邪魔になりませんでした。2019年はコロナ感染の始まる前で、朝一番に間に合いましたが多くの観光客で混雑していました。
 

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・制作:環境複合研究所