車イスで街にくり出そう_札幌

車イス使用者が札幌市を中心に地域活動するのに有用な情報を提供します。

22c 「ナビ」個票

(第三階層)

      目   次                            

1 各施設の個別情報の画面
  (1) 一般情報
  (2) 活動環境にかかる情報
2 遊楽施設
  (1) 一般情報への加除
  (2) 活動環境にかかる情報への加除
3 飲食店
  (1) 一般情報への加除
  (2) 活動環境にかかる情報への加除
4 広い便房のある施設
5 宿泊施設
  (1) 一般情報への加除
  (2) 活動環境にかかる情報への加除
6 道内ドライブで使いやすいトイレ
  (1) 一般情報への加除
  (2) 活動環境にかかる情報への加除


0 「札幌市 車イスお出かけナビ」の概要

 ここではバリアフリー情報を個票に具体に落とし込む考え方について紹介し、その前提については20「ナビ」の紹介21「ナビ」の目標で紹介します。

1 各施設に共通の情報

 ここではいろんな施設の利用条件にかかる具体の情報を提供しますが、多くに共通する情報とサービス形態ごとに特徴的な情報とで構成します。前者の共通的な情報はさらに一般情報と活動環境とで構成します。1では全体に共通する情報の概要と、その内容を簡単に補足します。
(1) 一般情報
 位置情報:グーグルマップに施設の位置をマーカーで表示
 住所  :区、街区、条、丁目、番、号を記載
 営業時間:商業施設の場合には店舗の営業時間や定休日を記載
 調査日 :実地調査した年月日を記載
 グーグルマップは拡大縮小が自在なので、位置図としても詳細図としても使えます。そこで利用者に道順を伝えられますが、第三者に道を尋ねる場合を想定し住所も記載します。また、商業施設や公共施設などはサービスを提供する時間や定休日を記載します。調査したあとに営業時間の変更や施設改修があるなどの可能性を考慮し、調査した年月日を記入します。

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一般情報の例

(2) 活動環境にかかる文字情報
 オストメイト :有無(汚物流しがあるか、洗浄用水栓のみか)
 駐車場    :有無(屋内外)
 冬期の問題  :積雪の影響(全天候施設か、積雪の影響があるか)
 その他特記事項:便房が標準より狭い場合(内寸○○ X ○○︎︎㎝)

 オストメイトは有無と外見から分かる内容を記載します。駐車場は天候の影響がわかるようにします。駐車場や利用施設までの間に屋根があれば全天候とします(屋内駐車場)。便房の内寸が180x180㎝より狭い場合は、特記事項として実測寸法を記します。また、便器周りに手すりのない場合には注意書きします。
(3) 活動環境にかかる写真情報
 活動環境の詳細を文章で伝え難いので写真で表現します。基本的に4枚組の写真ですが、オストメイトがあれば5枚組です。写真1は施設建物の外観の写真で、外部ないし駐車場からのアクセス環境の概況です。写真2は施設の出入口の写真で、段差の有無や扉の形状など、移動障壁の有無や出入りの難易度の概況です。写真3は便房の広さを表すべく、出入口の扉位置から三面の壁が映るように撮影します。便器との比較から、便器周りの空間や便房内部での車イスの切り返しの要不要が推測できます。ただし、便房内を1枚の写真に収めるのに広角レンズ(焦点距離16㎜)を使うため、撮影位置から遠い便器が相対的に小さく、手前の接近空間が広く映ることに注意が要ります。写真4は便器と手すりとの様子で、車イスと便器との間の移乗の難易度が推測できます。私はオストメイトについて無知なので、常用者なら写真を見ればどんな設備かわかるだろうと写真をつけました。

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写真1アクセス(店舗)    写真2アクセス(玄関)

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写真3便房の広さ       写真4便器周り

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2 遊楽施設       

(1) 一般情報への加除
 遊楽施設は外出の目的施設になることが多く、利用や活動をする場に確実に到達できる情報が肝要です。アクセスの過程や条件で気づいたことを付記します。
(2) 活動環境にかかる情報への加除
 遊楽施設についてはバリアフリー情報だけでは不十分と考え、その持つ魅力を写真で紹介しました。身体の衰えや障害により自宅にこもりがちの人に施設利用の安心感と楽しさの一端を伝え、外出の動機付けにする目論見です。

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(施設の魅力を伝える写真の例)     豊平館           高設栽培の観光いちご園          

 スポーツや音楽を楽しむ施設ではアクセスの良い場所に観客席がありますが、施設により設置法が異なるのでその写真をつけました。観客席についてはいくつかのタイプがあるので、それは別のブログで紹介します。

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札幌ドームの車イス席

 施設が傾斜地にあるなら移動経路の縦断勾配を実測し、図に色別の矢印で記しました。移動経路が複数あるなら、上りに遠回りで負荷の小さい経路、下に近くて急な経路を選べば楽に回れるなどの判断に使えます。また、独りで行動できる活動領域、支援者の同行が要る領域や、落車の危険のある領域などを推測できます。誰かと一緒に遊びに行くとしても、現地に着いて、楽しみの手前で立ち往生する事態を避けられます。

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公園の施設配置と園路の縦断勾配

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3 飲食店       

(1) 一般情報への加除
 障害者用トイレのある飲食店はまだ少ないのでピンポイントに店を選び出かけることが多いので、繁華街や雑居ビルなどでも確実に店に着けることが大切です。そこで共通情報に加え電話番号を記載し、まさかの事態に備えました。
(2) 活動環境にかかる情報への加除
 飲食店ではフロア内の段差、通路の広さやテーブルの高さやイスが移動できるかなどが使い勝手を左右するので、飲食フロアの写真を加えました。また、ビルの内部の飲食店の出入り口に段差を設ける例があり、活動障壁がある場合に写真ないし文章で注意書を促しました。

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ビル内の飲食店の例           独立の飲食店の例

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4 広い便房のある施設

 調査した施設のすべてをここで紹介しており、一般情報と活動環境との共通情報の4枚だけの情報を提供します。ただし、標準的なバリアフリー仕様に満たなくても分布密度が低い場合には、言葉や数字でその旨を補足して情報に加えました(コンビニのトイレなど)。

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コンビニの広めの婦人用トイレ 内寸140x210cmなどと付記

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5 宿泊施設       

 本サイトで障害者用客室の要件は、居室の浴室とトイレとに車イスで入れることを基本要件としました。ただし、温泉地で居室のトイレが使え、貸切風呂がバリアフリーのホテルもこれに含めました。
(1) 一般情報への加除
 障害者対応の部屋の宿泊にはあらかじめ予約を入れると思われ、確実に到達できる情報が肝要です。そこで共通情報に加え電話番号を記載しました。
(2) 活動環境にかかる情報への加除
 浴室の構成は浴槽とトイレとを一室に納めるタイプや前室にトイレ、着脱衣と洗面スペースにして洗い場付浴室を仕切り二室に分けるタイプなどがあり、その特徴がわかるような写真を付けました。また、車イスで浴槽に横付けできるとしても、端部に移乗台のあるものとないものとがありました。前者は浴槽に移る動作をしやすくしますが、後者は体幹バランスが優れる障害者でなければ危険を伴います。また、バスボードやシャワーチェアの用意がある場合にはその旨付記しました。

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浴槽と便器が一緒で移乗台ありの例     洗い場付浴室と前室に分ける例

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6 道内のドライブで使いやすいトイレ       

 ドライブの途中で使いやすいトイレは、駐車場があり通年で終日供用するトイレを紹介します。商業施設や公共施設など多くが夜間に閉まる一方、自動車での移動が時間的に不安定だからです。深夜や休日等の供用状況を仔細に確かめる事は無理なので、ホームページ等で確認した内容を紹介します。ホームページでは年中共用となっているのに夜間や冬期に閉鎖と張り紙する例を見たことがありますが、時間的ないし季節的に閉めるとはっきり確認した場合には、本サイトのリストから除きました。ただ、私が運営状況を確認できない施設がある可能性も否定できません。まさかのときの代替施設を見つけやすくするためには、分布密度を濃くするより対応策が思い当たりませんが、それも紹介できる施設の整備を持つよりありません。
(1) 一般情報への加除
 この条件を満たすサービスを提供する第一は道の駅で、見つけやすく、使いやすくかつ質の高い管理が期待できます。道の駅は電話番号と飲食コーナーの有無を情報に加えました。
(2) 活動環境にかかる情報への加除
 長距離ドライブ中に車イスで使えるトイレは道の駅くらいしか一般に知られていません。他に道路管理者が設置するトイレで使えるところがあるので、色分けしてプロットしたのが下図です。それらの有無だけでは移動ルートの車イスでの利便性がわかりづらいので、国道沿いで隣接する施設間の時間距離を推定し30分刻みで色を変えて示しました。黄色や赤の点線区間が危険度のあるルートで、その手前にあるトイレを忘れずに使うのが安全なドライブに必要です。詳しくは別のブログにて説明します。

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年中終日使える障害者用トイレのある施設の場所と移動の時間距離

情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・製作:環境複合研究所