車イスで街にくり出そう_札幌

車イス使用者が札幌市を中心に地域活動するのに有用な情報を提供します。

22a 「ナビ」総目次

( 第一階層 )

      目   次

1 外出の目的にあわせ情報を分類

2 遊楽施設

3 飲食店

4 広い便房のある施設

5 宿泊施設

6 道内ドライブで使いやすいトイレ


0 「札幌市 車イスお出かけナビ」の概要

 ここではバリアフリー情報の具体の落とし込みの考え方について紹介し、その前提については20「ナビ」の紹介21「ナビ」の目標で紹介します。


1 外出の目的にあわせ情報を分類

 この情報サイトでは使いやい構造を目指し、階層を3層にとどめました。第一階層ではサービスの種別と検索方法(地図or一覧表)、第二階層で個別施設や場所を選び、第三階層で個別の情報が見られます。
 第一階層でサービスの種別が5種類あり、何か遊びに行くのであれば「遊楽施設」、食事なら「飲食施設」、買い物なら「広い便房のある施設」など選びます。また、移動の途次に使えるトイレを探すのであれば、「広い便房のある施設」や「道内ドライブで使いやすいトイレ」、宿泊するのであれば「宿泊施設」から選びます。検索の方法は2種類あり、地図上のマーカーか一覧表のリストかの二通りのから選べます。
 地図検索の《 》内の「現位置」を選ぶと「位置情報の利用に同意」を求められ、同意すると検索者の場所を中心に地図が広がり、周辺にある施設や場所にマーカー が表示されます。そこで、自分の現在地に近い施設や場所が簡単に見つかります。

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2 遊楽施設

 生活の場を離れて楽しむ施設や場所を5つのグループに分けて提示します。
(1) 観光施設やテーマパーク
 観光施設は風光明媚な場所、歴史的建造物、まつりや観光農園などです。また、テーマパーク、動物園、水族館など人寄せを目的とする施設です。さらに珍しい風物や祭りを楽しむ場を含めました。
(2) 公園や植物園
 半日とか1日がかりで楽しめる規模の公園や植物園です。屋外で植物や広い空の下、陽光や外気に触れることで鋭気を養う施設です。
(3) 競技場や運動施設
 野球、サッカー、テニス、バスケットボール、アイススケート、アイスホッケーやカーリングなどを観戦したり、競技に参加したりする施設です。 
(4) 文化施設や教育施設
 美術館、文学館、科学館、博物館などの施設です。先人の残した芸術や文化に触れ、また先進的な科学技術に触れたり学習したりする場です。
(5) 劇場やホール
 音楽ホール、舞台、映画館や多目的ホールなどの施設です。各種音楽、演劇、映画や文化公演など観客席から楽しむ場です。

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3 飲食店

 飲食店は単にお腹を満たすだけでなく、いろんな機会にいろんな人と食事や会話を楽しむ場でもあります。そこで、「ナビ」の利用者がTPOにあわせて飲食店を選べるよう、食事で使うシーンを想定して6つに分類しました。各分類の店の雰囲気、費用やBF環境などを大雑把に特徴づけると次の通りです。
(1) 全天候施設
① 利用環境:飲食だけでなく買い物など一度に複数の用件を足し、ゆっくり時間を過ごせる大型商業施設などです。施設内に飲食店、各種専門店、サービス施設やATMなどがあり、映画館、ホールや水族館を備えるところまであります。
② BF環境:駐車場は屋根付きの部分に専用スペースが設けられ、障害者用トイレが複数あることもあり積雪期や荒天でも安心です。
③ 使い勝手:札幌市内に数える程しかありませんが、ほぼ一年中営業しており、営業時間も長く、ワンストップで食事だけでなく外出を楽しめる施設です。
(2) 商業ビル
① 利用環境:商業ビルのテナントとしてカジュアルなチェーン店から高級な専門店まで千差万別なので、店の雰囲気により使い方を選びます。
② BF環境:商業ビルは中心市街に多いので駐車場探しが面倒で、冬季の利用の制約になるところがあります。障害者用トイレが供用空間にある場合には標準仕様が多く、飲食店内にある場合には狭めの店があるので確認が必要です。
③ 使い勝手:障害者用トイレの分布密度の濃い中心市街に集中しますが、飲食の楽しみの幅を広げてくれます。
(3) ホテル
① 利用環境:飲食店のある環境が非日常で、多くが高級感を持ち、あらたまった機会に使える飲食店です。専門店のテナントが入り、価格帯も高めの店が多いです。
② BF環境:ホテルは中心市街に多く駐車場が機械式であったり狭かったりが多いのが難点です。障害者用トイレは標準的仕様の便房が供用空間にあります。
③ 使い勝手:障害者用トイレの分布密度の濃い中心市街に集中しますが、飲食の楽しみの幅を広げてくれる施設です。
(4) 独立飲食店
① 利用環境:障害者用トイレのある飲食店は大規模な焼肉店、チェーンの回転寿司から個人店まで千差万別です。大規模なビルの一角に構える店は窓がなく無機的な印象ですが、独立店舗は雰囲気も価格帯もそれぞれです。食事の目的にあう店を選びます。
② BF環境:大規模な店の駐車場やトイレが使いやすい一方、個人経営の店では完璧は求め難く、事前に確認する方が安全です。
③ 使い勝手:市内の各所に点在し、蕎麦屋なら蕎麦屋でといった専門店の雰囲気や地域の特徴を楽しめる店です。
(5) ファミリー・レストラン
① 利用環境:早朝から夜半過ぎまで開いている店が多く、長時間話し込んでも気兼ねのない店で、友人とわいわいできるカジュアルな雰囲気が特徴です。飲食のメニューが豊富で好きなものが選べ、価格帯がリーズナブルのが使いやすい飲食店です。
② BF環境:店外にある駐車場は空間を広く、飲食フロアが広く車イスも安心に使えます。便房はおむつ交換台があったりで、車イスで中に入れますが標準的障害者用トイレに比べると狭めが多いです。
③ 使い勝手:中心市街から外れた幹線道路近くにあり、リーズナブルな料金や営業時間の長さとで使い勝手の良い施設です。
(6) 総合スーパー
① 利用環境:総合スーパーの一角にある簡易な食事どころに買い物のついでに寄ったり、家族が買いものする間待つのに使えます。いろんな品物を見たり触れたり選んだりすることで、自然に身体を動かし、季節を知り、他者と交わることで、通常の飲食以上の刺激が得られます。
② BF環境:買い物のフロアから飲食店まで段差がなく、便房が供用空間にあり標準的仕様で使い勝手が良いところがほとんどです。
③ 使い勝手:普段着に下駄履きで、買い物のついでに立ち寄れるので、こもりがちな住まいを出る動機付けにも使えます。

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 4 広い便房のある施設

 買い物や外出の途次に使えそうな障害者用トイレのある施設について、その場所やバリアフリー環境など紹介します。
(1) 商業施設
① 対象施設:ショッピング・モール、ホテルや商業ビルのほか、スーパーマーケット、大型電気店や薬局などがあります。
② BF環境:郊外の店舗は広い駐車場を備える一方、市街地の施設では外部の駐車場か公共交通機関の利用のいる施設もあります。障害者用トイレは標準的な広さや設備がほとんどです。
③ 使い勝手:市内の全域、住宅地にもあり、年中無休で営業しており、営業時間が長いので使い勝手が優れます。
(2) 飲食店(3の再掲になります)
③ 使い勝手:あくまでも食事に訪れた際に使う施設です。
(3) 公共施設
① 対象施設:国、道や市の事務所、図書館など市民に提供するサービス施設、市の福祉・健康や集会所などがあります。
② BF環境:ここで紹介する施設は広い駐車場を備えており、標準的な広さや設備の障害者用トイレがあります。
③ 使い勝手:市内の各所にありますが子細に調べなければ見つけられず、使えるのが週に5日、1日10時間程度の施設が多いものの、商業施設の少ない地方都市などであれば重宝します。
(4) 公園
① 対象施設:2の大規模な公園から近隣公園や街区公園その他、多くの公園に障害者用トイレがあります。
② BF環境:公園は駐車場のないことが多い一方、障害者用トイレは標準仕様です。
③ 使い勝手:市内の全域、住宅地にもあり、夜間も施錠しない施設が多いのが頼りになります。ただ、夜間の使用は防犯上の懸念を訴える向きもあり、また冬期は施錠しない施設でも積雪のために使える箇所は稀です。
(5) コンビニエンス・ストア
① 対象施設:一部のコンビニエンス・ストアでは婦人用のトイレを広くし、車イス用として供用します。
② BF環境:店舗は多くが駐車場を備え、便房は車イスで入れるも標準より狭い仕様です。
③ 使い勝手:市内の全域、住宅街にもあり、ほぼ一年中24時間営業、さらに気軽に入れるので使い勝手が抜群です。ただ、どの店に車イスで入れるトイレがあるかの情報が少ないのが残念です。
(6) JRや地下鉄の駅
① 対象施設:地下鉄の駅はすべて、JRの駅も札幌市内は多くで障害者用トイレを備えます。
② BF環境:駅の多くには駐車場がありませんが、標準的な広さや設備の障害者用トイレがあります。
③ 使い勝手:見つけやすいのが利点で駐車場がないのが残念ですが、早朝から深夜まで使えるのが安心な施設です。

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5 宿泊施設

 ここでは客室のトイレと浴室とに車イスで入れるホテルを紹介します。ただし、浴槽に移乗台もバスボードもない浴室があり、詳細の情報は個票にて触れます。車イスでの宿泊については別の機会に詳しく述べます。
(1) シティ・ホテル
 ツインルームやダブルルームが中心で、料飲やバンケットなど宿泊以外も提供するホテルです。地方では観光やリゾート的な旅行客をターゲットとするホテルを含めます。
(2) ビジネス・ホテル
 シングルルームを主体に宿泊に特化するホテルで、宿泊料金がリーズナブルなのが特徴です。
(3) 公共の宿
 文字通り公共団体が運営する宿泊施設で、シティホテルに近いサービスをビジネスホテルに近い料金で提供するのが特徴です。
(4) ペンション
 観光地に多く、オーナーの意向で個性的な施設やサービスを提供します。
(5) キャンプ場
 公設が多くハートビル法施行後、障害者用トイレのあるキャンプサイトサイトや宿泊小屋を設けるなど、障害者への配慮が進みつつあります。

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6 道内ドライブで使いやすいトイレ

 北海道内は公共交通機関を使うより、自家用車で移動する方が何かと便利です。私が道内を調査する折はいつも自家用車で出かけ、障害者用客室のあるホテルを使いました。その行程を決めるのに重要な要件がいつ、どこでトイレを使うかでした。実施段階では移動や調査に手間取ることが多く、調査の行程の変更が起こります。適時に排泄しなければ尿漏れが起こるだけでなく健康にも関わるので、年中終日使える障害者用トイレのある施設をリスト化し、使用環境をデータ化したのがこのグループです。
(1) 道の駅
 道の駅は幹線道路から近くて誘導も確かで、駐車場が広い上に、ほとんどで障害者用トイレが年中終日使えます。ただ、2018年4月現在122箇所ある道の駅のうち10箇所程が休日や夜間や冬季に使えません。深夜に使える障害者用トイレの分布は全道的に希薄なので、あてにしていた道の駅が使えなければ排泄の事故がおきかねません。そこで、このサイトでは年中終日使える道の駅だけを紹介します。
(2) 道路施設
 国道や地方自治体の道路施設、駐車場、除雪センターや情報センターなどで、障害者用トイレを一般に公開する施設があります。ただ、一般に知られる施設が少なく、実地調査の上このサイトで紹介します。
(3) 商業施設
 札幌市や地方中核都市で、24時間営業のスーパーマーケットの一部に障害者用トイレがあります。(1)と (2)とは郊外に偏りますが、このグループは街中にあります。自家用車を駆っての調査は日のあるうちに宿泊先に着くように計画しますが、行程が遅れて夜にかかる折などに便利な施設です。
(4) コンビニエンス・ストア
 地方の中小の街にもコンビニエンス・ストアが進出途上ですが、一部のチェーンでは2010年代の半ば以降の新店舗の多くで婦人用便房を広くします。私の調べたところではローソンとファミリーマートがそうです。地方では役場以外に障害者用トイレがない町村があり、そんなところに作られたならその存在価値は絶大です。ただし、私個人の調査能力は北海道全体をカバーしきれません。
(5) 自動車専用道路PAとSA
 自動車専用道路には所定の間隔でパーキングエリアやサービスエリアの設置が義務付けられ、現状で設置されているすべての施設に障害者用トイレがあります。専用道路の使用者に限られますが、年中終日安心に使える施設です。

 

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情報提供:NPO 環境福祉支援サービス プラスアルファ
企画・調査・製作:環境複合研究所